第96章


 希が反省室に入ってか3日たった金曜日の放課後、学校から寮に戻ってきた希を、反省室の前で恵理子が迎えた。

「お帰りなさい、希さん。
 これで、反省期間の終了ですね。
 それでは、最後の仕上げをしますから、反省審査室の中に入りなさい」

 希は、恵理子に促されるままに、反省室と同じ並びにある「反省審査室」という小部屋の中に足を入れる。
 つい先ほどまで、校内巡回という名の引き回しを強いられていた希は、見るからに疲れている様子だった。
 何しろ、きょうが希を自由にできる最後の日ということで、希への辱めは熾烈を極めたのである。
 きょうの引き回しでは、自分の足で校内を歩き回らされたのだが、その際、露にされている乳首とクリトリスの3豆に糸が結ばれ、その3本の糸を、それぞれ別々の3人の男子生徒に引かれながら、校内を巡回させられたのだった。
 3箇所の敏感な突起が、それぞれバラバラに引き回される刺激に、希は否応なく従い、そして身体の反応を見せつけてしまう。
 両手を背中でまとめられ、胸も股間も剥き出しの制服を身に纏った希に、それに抗う術はない。
 希は、糸を引かれるたびにうめき声と喘ぎ声とを混ぜ込んだ声を漏らしながら、糸を引く男子生徒に付き従って、廊下を歩き進んでいった。
 特に、2階の廊下を引き回されたときには、希の声がより高くなった。
 廊下の真ん中にあけられた水槽の中を歩かされてしまったのである。
 いつもは、水槽の上の空中に張られたロープの上を歩くのだが、今は両手を封じられている上に、男子生徒たちの言いなりにならなければならない。
 希は、3本の糸に誘導され、水槽の中へと導かれてしまった。
 水槽の水深は約1メートルで、普通に立っていれば、お腹のあたりまで水につかる程度である。
 しかし、この水槽の本質は水そのものではなく、その中に棲むものである。
 それを知っている希だったが、知っていてもどう対処することもできはしない。
 希は、糸を引かれるままに水槽の中を歩かされ、そして水中を泳ぎまわるウナギたちの標的にされ、ヴァギナとアナルに、何度も何度もウナギの侵入を許してしまったのだった。
 糸に緊縛されたクリトリスをついばまれると、どうしても腰が引けて力が抜けてしまう。
 その隙を狙うかのように、アナルが責められ、気を抜けばヴァギナに潜り込まれ、さらには尿道まで狙うウナギが現れる。
 かつて、何度かこの水槽に落ちた経験もあるが、そのときは両手が自由であり、襲い掛かるウナギたちを追い払い、手が滑って思うようにはいかなかったものの、いやらしい穴に侵入するウナギたちを引き抜きながら、切り抜けた。
 しかし、両手を戒められ、乳首とクリトリスを緊縛された希には、もはや、その水棲生物に対して何ら抵抗の手段はない。
 恥辱の水中歩行を余儀なくされた希は、糸に引かれるままに、右に左に、前に後ろに水槽の中を引き回され、幾匹ものウナギとの交わりを強いられ、そして、耐えがたいアクメを、淫魚たちに感じさせられてしまったのだった。

 そうしてようやく校内引き回しを終えた希が寮にたどり着いたのは、日も暮れかかった夕刻である。
 

 この反省審査室というのは、非常に小さな部屋で、1メートル四方ほどの正方形の部屋である。
 反省審査室に入った恵理子は、希が身につけていた制服を脱がし始める。
 上着になっている貫頭衣型セーラー服を脱がし、そして何一つ恥部を隠さないスカートを取り去り、そして靴下や靴も脱がした後、3日間、希の両腕を封印していた拘束衣を開錠し、3日ぶりに希の両手に自由を取り戻させた。

「・・・ふぅ」

 両手の拘束が解かれたとき、思わず希から安堵のため息が漏れた。
 だが、自由になった両手で身体を隠すことは許されない。
 恵理子は、希に両手はまっすぐ横に下ろしておくことを言いつけた。
 これで、希は反省者である髪飾りのリボンのみを身につけた全裸姿となった。
 恵理子は、白い裸身を晒した希を、部屋の真ん中の足の形をしたマークに合わせて立たせた。
 足のマークは50cmほど離れて描かれており、そのマークにあわせた希は、当然肩幅程度に脚を開いて立つことになる。
 この部屋の真ん中に希が立ち、恵理子が部屋から出ると、部屋の中がまぶしいほどの光に包まれた。
 希の身体から、一切の影が消え、まるで肌が白い光を発するような状態になる。
 そして希の目には、いくつものレンズの光が映りこんでいた。
 この部屋の壁面には、各コーナー、そして壁や床、天井にカメラが設置されており、全部合わせて26個のカメラが、希の身体を余すところなくそのファインダーに捕らえているのである。
 まばゆい光に少し目がくらんだ希に、スピーカー越しの恵理子の声が聞こえた。
 
「それでは、佐藤希さん、最後にあなたの反省審査をします。
 いいですね」

「・・・はい」

 恵理子は、反省審査室の隣にある審査員室という小部屋から、スピーカーを通して、審査室内にいる希に声をかけ、そして希の声は、室内にあるマイクに拾われて恵理子のいる部屋へと伝えられる。
 そして、この反省審査室と審査員室の間には、ガラス張りの小さな小窓があり、その窓を通して、お互いの部屋の中を見ることができるようになっている。
 もちろん、恵理子がいる審査員室のほうからは、あらゆる角度から希の肢体を映し出しているカメラのモニターが見えているのだった。

「それでは、まず始めにこの反省審査についての注意事項を述べます。
 もう、何度も反省審査を受けている希さんは既に知っているとは思いますが、一応、確認の意味を含めてということで。
 まず、この反省審査の中で行われる審査の内容は、全て証拠映像として記録されます。
 この反省審査は、あなたがこの反省期間中に十分に反省ができたかどうかを判定するものです。
 したがって、反省中であるあなたは、それを示すために真摯かつ謙恭な態度で臨み、許可があるまでは、両手を身体の横から離すこと、両足をマークから外すこと、また、審査中に、意図的、無意識を問わず、手や脚で身体を隠すことを禁じます。
 意図せずに身体を隠す行為も認められませんので、くれぐれも、疑わしい行為は慎むように。
 あなたの反省を吟味するために、あなたの反省室入りにかかわりのあった男子生徒2名にも、審査に立ち会っていただきます。
 この審査において、反省が不十分であると判断された場合は、引き続き反省期間の延長が命じられますので、心して審査に臨むように。
 それでは、審査を開始します」

 恵理子の淡々と述べる声が反省審査室内に響き、そしてその奥からかすかに男子生徒の声も漏れ聞こえる。
 小窓からは、2人の男子生徒たちの姿が垣間見えた。
 それは、今恵理子が言ったように、希が反省室に入れられることになった原因を作った男子生徒、すなわち由紀をいじめて辱め、さらにはこの3日間、希に対してあらゆるイタズラを仕掛けてきた男子生徒たちである。
 今、希が最も憎らしいと思っている相手である。
 しかし、今、希の運命を握っているのは、その最も憎らしいその男子生徒たちなのだった。


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