第92章


 朝の身支度と称する全身性感マッサージから解放された希は、ようやく首輪を外された。
 これで、両腕以外の自由は戻ったが、恥ずかしい身体を剥き出しにして、お腹の中にペットボトルキャップを入れているというはしたない状況は、何ら好転しているわけではなかった。
 役目を終えた恵理子は一端反省室を去り、希がしばらく反省室の床の上にへたり込んでいると、部屋の片隅で「カタン」という音がした。
 それは、トイレのふたが開いた音だった。
 今回の反省では、トイレの使用時間も決められており、朝は7時から10分間のみとされている。
 それ以外の時間では、トイレのふたは硬く閉ざされ、使用不能になっているのである。
 そして、7時を回った今より、10分間のみ、トイレの使用が許可されている。
 朝、目覚めてから休む間もなく性感責めに苦しめられ、あまつさえ潮吹きまでして絶頂を極めた希は、既に膀胱にいっぱいの尿がたまっていることを感じていた。
 とはいえ、普段のトイレ以上に羞恥をあおる、この反省室のトイレを使う決心は、なかなかつかない。
 それでも、

(さっき、鏡の前であんな恥ずかしい格好をさせられたんだから・・・トイレぐらい・・・)

 と、自分自身を言い聞かせ、自分の心をだましながら、希は便器にまたがった。
 きのうと同様、両膝の上にバーが降りてきて、希の下半身を便器に拘束する。
 この反省室の中においては、どのような理由があろうとも、トイレ以外の場所で排泄してしまった場合には、さらに過酷なお仕置きが義務付けられているのである。
 さきほどの恵理子のイタズラで失禁しなかったことは、希にとっては不幸中の幸いですらあった。
 たとえ、それが希の不可抗力であろうとも、理不尽な状況の中で強要されたものであろうとも、理由の如何を問わず、トイレ以外での排泄には罰が待っているのである。
 かつて、何度かそれを経験したことのある希には、たとえ恥ずかしくともトイレで用を足す以外の選択肢は残されていなかった。
 男子寮から見ると素通しガラスにしか過ぎないマジックミラーの前で大股開きの状態で固定された希は、少しの間躊躇した後、下半身の力を抜き、放尿を開始したのだった。
 一晩中、希の中で熟成された小水は、濃い琥珀色の液体となって、便器の中に流れ落ちる。
 この放尿の後、恥辱の洗浄が待ち構えていることを希は知っている。
 そのための心構えをしておかなければならない。
 そう希が考えはじめたところで、突然下半身に予想を越えた刺激が走った。

「あぐぁっ・・・な、なに・・・これっ!!」

 通常、排泄が終わってから始まるはずの股間洗浄が、まだおしっこをしている最中に始まったのである。
 希にとって、これは完全な不意打ちとなった。
 かつて反省室に入ったときでも一度も経験したことのないシチュエーションに戸惑う希。
 希の尿道から吹きだすおしっこを逆流させるように、ウォッシュレットの水流が、股間に打ち付けられる。
 不意に注ぎ込まれる快感に耐えるために、下半身に力をこめようとする希だが、放尿するために弛緩しきった下半身は、にわかに緊張を取り戻すこともできず、肉体的にも精神的にも余りに無防備に晒された秘所に、耐えがたい刺激を受けることから、逃れることはできなかった。

「ま・・・まだ・・・出て・・・・・・・のに・・・・・・あぁぁっ・・・後ろまで・・・んぐぅっっ・・・・・」

 このトイレのウォッシュレットは、一点のみではなく、女の子の恥ずかしく秘められしあらゆる部分に、まんべんなく刺激を与える仕掛けになっている。
 淫らな水流は、おしっこをしている前側だけではなく、後ろ側の肛門にも打ち付けられた。
 放尿中でお尻をすぼめるように力を込めることのできない希は、お尻の穴にも、無慈悲な水流を注ぎ込まれるのだった。
 放尿しながら性感を責められる恥態・・・希の恥辱は耐え難いものとなっていた。

「あぁぁっっっ・・・・んぁっ・・・・・・ひっ・・・・・やめっ・・・・・やだ、中で・・・キャップが・・・んふぁっ・・・・がっ・・・」

 さらに勢いを増して希の穴の中にまで穿たれた淫水は、いまだ希の体内に残されたペットボトルのキャップをかき回して、希に不本意な快感を注ぎ込む。
 ついさっき、恵理子によって絶頂を迎えさせられた希の身体は、いつも以上に敏感で、ウォッシュレットの水圧に、陥落させられてしまっている。

「もう・・・やだっ・・・イキたく・・・ない・・・・・・・こんなとこで・・・見られなが・・・んぁっ・・・ら・・・・もういや・・・・・・やだっ・・・・だめっ・・・も、もう・・・・・・」

 男子寮から丸見えになっているはずのこの場所で、これ見よがしに股間を剥き出しにした恥ずかしすぎる格好で、おしっこをしながら感じさせられるという途方もなく屈辱的で淫猥な状況でイカされる・・・・・・普段から、勝気な振る舞いをしている希にとって、耐え難い恥辱である。
 しかし、この学園では、どんな少女であろうとも、そう、たとえ男子に手を触れられることにすら嫌悪感を抱くような潔癖気丈な少女であろうとも、男の顔を見るだけでも恥ずかしくて顔を背けてしまうようなうぶな少女であろうとも、例外なく、このような破廉恥な格好で、無残な恥態をさらけ出さされるのである。

 一分後・・・、長い長い放尿の末に、水圧によって希は今日2度目の絶頂に押し上げられ、その瞬間に勢いよく尿を吹きだしながら果てたのだった。
 

 7時20分・・・昨日の夜と同じように、出入り口のドアの下の小さな小窓から、トレイに乗せられた朝食が配膳された。
 トイレでの陵辱の後、疲れ果てたように床に倒れこんでいた希は、トレイが入れられる小さな物音で、朝食の時間を知った。
 朝からの連続陵辱で体力を消耗した身体は、食欲こそないものの、さすがにきのうから何も食べていない希の空腹は、限界を感じていた。

(・・・もう、これ以上は無理ね・・・)

 希は、諦めたようにトレイのほうに歩み寄っていく。
 トレイはドアのすぐ前の床に置かれている。
 そのため、両手を戒められた希は、床の上の食事を、這いつくばって顔を床にすり寄せるようにして食べなければならないのである。
 その姿は、プライドの高い希には決して我慢できるものではない。
 しかし、それ以外にものを口にする術がない以上、やらざるを得ないのだった。
 おまけに、食事はドアの前に置かれているため、ドアのほうを向いてしゃがむ必要があり、そうなると、希の何にも覆われていないお尻は、男子寮のあるマジックミラーの方に向けられるのである。
 惨めに床に這いつくばって、犬のように食事をする情けない姿を、肛門も陰唇も剥き出しにしてさらけ出しながら男子たちに晒さなければならない屈辱。
 しかも、今の希の股間は、さきのウォッシュレット攻撃によって、洗浄液だけではない恥ずかしい汁が滴っているのである。
 そのみっともない姿を晒しながらの食事を強要される・・・これは、反省室に入れられた少女たちの誰もが経験させられる屈辱であり、どれほどのプライドの持ち主であろうとも、かつての令嬢であろうとも、皆、この無様な姿での食事を強いられるのだった。


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