第89章


 希の肛門に突き立てられた細身のブラシには、ひとつの異名がついていた。

―――ジャンヌ・ダルクのアナルキラー―――

 その命名の由来は、1年前にさかのぼる。
 去年、まだ希たちが1年生だったころの話である。
 入学以来、常日頃から、多くの女子生徒たちは、学園の決まりや男子のいたずらで淫らな恥態を晒し、涙を流して男子たちに許しを乞ったり哀願させられたりということを繰り返させられていた。
 しかし、その頃から気が強く勝気な態度を取っていた真由美は、当時から、ことあるごとに男子生徒との衝突を繰り返していた。
 真由美は男子生徒からのイタズラや嫌がらせ、理不尽な要求に屈しようとはせず、決して男子に対して屈服の言葉や許しを乞うような言葉を発することはなかった。
 それは、この学園に身を置く女子生徒にとって並大抵の精神力では成し得ることではなく、小学校を卒業したばかりの少女とは思えないほど、強い意志、特に男子に対する大きな不信と不屈の心を持っていたのである。

 ある日、そんな真由美が、男子への反抗を理由に反省室に入れられることになった。
 入学からひと月ほどがたった春の日であった。
 その日の休み時間に、綾のスカートを取り上げて、それを振り回しながら教室を駆け回っている男子生徒がいた。
 真由美は、その男子生徒がちょうど自分の前を通ったときに、足を引っ掛けて転ばせたのである。
 そして、綾のスカートを取り返して、下半身裸にされて泣いている綾に返した後、その男子生徒の頬をひっぱたいた。
 これが決定的な理由となって、真由美の反省室入りが決定した。
 聖女学園では、男子生徒が女子生徒のスカートをめくる行為は、校則で明確に認められた行為となっている。
 また、そのスカートをめくる際に「偶然に」スカートが脱げてしまったり、「たまたま」スカートを取り去ってしまうことも、全て「不可抗力」とみなされ、スカートをめくった男子生徒に過失はないとされる。
 スカートめくりなどの行為でスカートが脱げてしまったり取られたりということは、聖女学園では注意不足、もしくはきちんとスカートを身につけていないものとされ、完全に女子生徒側の「過失」もしくは「不備」とみなされるのである。
 したがって今回の場合、聖女学園においては罪を問われるのは、本来、不用意にもスカートを脱がされてしまった綾の方であるべきであり、それによって男子生徒が咎められることも、報復を受けるいわれもないとされる。
 にもかかわらず真由美は、男子生徒が「規則で認められた」スカートめくりを行い、「正当な権利のもとに」取得したスカートを、「正当な権利なく」取り上げ、「本来責められるべき」綾をかばって「規律を乱し」、なおかつ「いわれのない暴力」を男子生徒に振るったことになったのだった。
 この非常に重大な校則違反を幾重にもわたって犯した罪に加え、これまでの生活態度や反省態度の欠如、さらには、男子生徒から寄せられたこれまでの学園生活で行われた校則違反や反抗的行為の数々の告発、その他、男子生徒からの多数の意見などを理由に、真由美は初回の反省処罰としては異例となる5日間の反省室入りを課せられたのだった。
 もちろん、男子生徒からの告発の中には、事実以上に多くの虚構が含まれていたのだが、希の例からもわかるように、この学園ではその真偽は大きな問題ではない。
 それに、真由美の態度が、聖女学園の女子生徒としてあるまじきものであることは、生徒、教師ともに知る事実である。
 そんな中でも、入学から1ヶ月あまり、かつ初回の反省室入りの女子生徒に対し、5日間の拘留というのは、聖女学園でも異例中の異例である。
 入学以来、それまでの1ヶ月の間に2人の少女、今、反省室に入れられている希と、今は留学中の郁美が、そのとき既に反省室入りを経験していたが、ともに初回の処罰ということ、また入学から日がたっていないということで、ともに1日のみの拘留だった。
 そして、どんなに重い罪を咎められたとしても、初回の反省室入りは、長くて2日間、最長でも3日間というのが、これまでの前例であった。
 にもかかわらず、真由美には、前代未聞の5日間もの反省期間が命じられたのである。
 それだけ、真由美は学園において注目されていたと言える。

 そうして、真由美が反省室に入った初日の夜、真由美がこの特別浴場に連れられ、今の希と同じ境遇にあわされた。
 そして、そのとき、この特別浴場で繰り広げられた恥辱の全身洗浄は、聖女学園史上に残る名場面となったのだった。
 それまで、凛々しく頑なで強気な態度をくずさなかった真由美を責めて、淫らに乱れる姿を見たいという男子生徒が、次々とアームを操作したのである。
 その中には、その日、綾のスカートを取り上げて真由美に頬をひっぱたかれた男子生徒もいれば、これまでに口答えをされた者、真由美を屈服させることができなかった者、軽蔑のまなざしを向けられた者、他の女子生徒に対するいたずらを邪魔された者など、これまでに真由美に煮え湯を飲まされた男子生徒が多数いた。
 その男子生徒たちの思いは、真由美に対する仕返し、すなわち「真由美を恥ずかしい目にあわせたい」、「真由美を淫らな声で喘がせたい」、「真由美を快感で泣かせたい」というものであり、つまるところは、「普段生意気な真由美にこれ以上ないほどの『恥』をかかせてやりたい」、「いつも口うるさく抗う真由美が、自分たちを見るだけで顔を赤らめて口をつぐんでしまうほどの『恥』をかかせたい」というものだった。
 そして、幼い真由美はこの日、かつて経験したことがないほど惨めな”恥”を晒すことになった。
 このアナルブラシを使われたとき、本人も自覚していなかったアナル性感帯が開花してしまったのである。
 これまでの学園生活ですら涙を見せなかった真由美が、このアナルブラシの挿入で、情けないほどの声を上げ、みっともないほどの泣き声を漏らし、快感に悶え喘いで乱れ泣いた。
 これが、真由美が身も世もなく、だらしなくよがる姿が、はじめて披露された瞬間であった。
 そして、真由美の最大のウィークポイントが、全男子に発見された瞬間であり、真由美が初めて屈服した瞬間となった。
 そのアナル責めを皮切りに、真由美は全身が性感帯になったかのように敏感になり、胸、膣、クリトリス、そして身体中の至るところで官能をかきたてられて、何度も何度も、泣き叫びながら屈辱の絶頂を、男子生徒の前で晒したのである。
 1年生の真由美にとって、それはかつて経験したこともないほどに深く、惨めで、そして屈辱的な恥態であった。
 真由美は、ここで入学以来初めて、謝罪の言葉を発し、泣いて許しを乞い、惨めな哀願を繰り返したのである。
 それは、だれもがはじめて見る、真由美の屈服の恥態だった。
 その様子は、36個のカメラによって細部に至るまで記録に残され、永久保存版として図書館に保存されている。
 「生意気少女の初乱れ」と題され、恥辱のあおり文句とパッケージに包まれたビデオは、連日貸し出し希望の生徒が借りていき、今でも真由美の恥態は多くの生徒に楽しまれているのだった。
 そして、反省室に入れられていた5日の間、真由美は女としてのあらゆる恥をかかされたといってもいいほどの経験をしたのだった。
 それは、入学1ヶ月の12歳の無垢な少女が耐えられる恥辱をはるかに超えた日々であった。
 ウィークポイントを発見された真由美は、それまで幾度となく彼女に煮え湯を飲まされてきた男子たちにとって、格好の、そして最高のおもちゃとなったのである。
 特に、このアナルブラシは日々改造と改良が重ねられ、真由美は毎夜、前夜を上回る刺激と快感を味わわされ、無限の恥獄に堕とし込まれていったのだった。
 その姿が、かつて勇敢に戦ったジャンヌ・ダルクが、宗教裁判で異端と称されて処刑された姿になぞらえられたのである。
 それ以来、このアナルブラシは、真由美を堕とした功績を称えて、「ジャンヌ・ダルクのアナルキラー」という別名が付けられることになった。
 そして、その後も多くの少女のお尻を責め立て、屈服させていった。
 その中には、当然、2度目、3度目と反省室に入れられることになった真由美の姿も、数えられているのだった。
 

 そんないわくのあるアナルブラシは、反省室に入れられた少女たちを次々と泣かせ堕とし、そして今、そのブラシが希の肛門につきたてられたのである。
 このヴァギナブラシとアナルブラシ2本による2穴責めは、希の心の抵抗を無意味なものへと変えていく。

「あひっ・・・んぁっ・・・あぁぁっ・・・くぁっ・・・んぐぅぅぅ・・・」

 希は、いつの間にか恥ずかしい声を上げながら、身体を機械に弄ばれていた。

(だ・・・だめぇ・・・こんなの・・・感じちゃ・・・んぅぅぅ・・・な、中で・・・お尻の中で、キャップが・・・・う、動くぅ・・・あぅっ・・・)

 お尻の穴の中にもペットボトルのキャップが入っている希は、ブラシの柔らかい刺激だけではなく、キャップの硬い刺激にも耐えなければならない。
 だが、心でいくら抵抗しても、身体のほうは正直で、もう完全に快感に陥落してしまっていた。
 おまけに、先ほどの瓶運びのときに塗りつけられた催淫剤の効果も、まだ完全には抜けきってはいなかった。
 既にドロドロに溶けたようになっているヴァギナからは、トロトロと絶え間なく蜜を垂らし、出し入れされるブラシの動きに合わせて飛沫を上げている。

(こ・・・腰が・・・勝手に・・・)

 希の腰は、快感に耐え切れず、ブラシの動きに合わせて上下に揺すられている。
 さらに、胸はスポンジで円を描くようにこねまわされて、乳首には強い水流が吹き付けられる。

(胸が・・・ち・・・ちく・・・胸の先が・・・そんなにしたら・・・もう・・・)

 ほとんど動かすことのできない上半身だったが、柔らかい膨らみは、アームや水によって無秩序に揺らされて、さらなる官能の渦を溜め込んでいく。
 また、小さな歯ブラシのような刷毛を先につけたアームが、クリトリスを擦りだし、続けてその毛先をクリトリスの肉豆と包皮の間に擦り込ませて、丹念に丹念に磨き上げていく。

(そ・・・そんな・・・とこ・・・・・・そんな・・・ふうに・・・た、耐えられ・・・る・・・わ・・け・・・・・・・・・んぁあぁぁぁぁっっっ!!)

「んぁあぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!
 ひぁっ・・・きゅっ・・・そ、そこ・・・だめっ・・・だ・・・くはっ!!」

 敏感なクリトリス、そして日ごろ刺激を受けることのない包皮の裏側まで無残にいじりまわされた希は、髪を振り乱して乱れていく。

「あっ・・・んぅ・・・・・も、もう・・・・・ひっ、ひゃっ・・・だ、だめっ・・・だめっ・・・・だ・・・・・・・・・・・あぁぁっっっ、あああああぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 ヴァギナとアナルを最奥までブラシで責め立てられ、さらにクリトリスと、その包皮の裏側まで刷毛で擦り上げられた希は、もはや太刀打ちする術もなく、涎と愛液を垂れ流し、潮を吹き上げながら、屈辱の絶頂を迎えさせられたのった。

(あぁ・・・イ・・・イカされ・・・・・たぁ・・・くっ・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・)

 希は、全身を硬直させてビクッビクッと震えてから、身体を弛緩させて、ぐったりとする。
 荒く弾むような息をつきながら、身体を駆け巡る絶頂の余韻を鎮めようとしていた。

「はぁ・・・はぁ・・・・・・くっ・・・」

 この不自由な体勢の中でも、無理矢理イカされてしまった屈辱感は、希の心を痛めつける。
 確かに、かつて何度も入れられたこの特別浴場で、何度も屈辱的な絶頂を迎えさせられてきた。
 この浴場の中で、余りにも無防備な体勢に置かれたこの状況で、耐え忍び続けることなど不可能なのは、希自身、経験からよくわかっている。
 しかし、それでも憎らしい男子たちの前で、その男子たちの手によって、無理矢理イカされるという辱めには、耐えられないのだった。
 希は、このイッた後のわずかな時間で、幾ばくかの休息をとり、次の陵辱に対する備えを・・・とはならなかった。

(えっ・・・なっ・・・・・・と、止まらなっ・・・・・・そんなっ・・・んあぁぁぁっっっ!!!)

 絶頂を迎えたにもかかわらず、希の陰部、秘部をいじり回すマニピュレータの動きが、止まることも緩むこともなく、動作しつづけているのである。

「あっ・・・くっ・・・・・・んあぁぁっっっ!!」

 普段であれば、イッた直後は、機械を操っていた男子たちもある程度の達成感を得るためか、多少、空白の時間が取られる。
 そして、それは希にとっても、わずかばかりの休息のときとなる。
 にもかかわらず、今、希は一切の休息もインターバルも与えられずに、なおも恥辱責めを続行されているのである。
 イッたばかりで敏感な希の身体は、その淫らな陵辱にすぐに反応してしまう。
 希は、イッた絶頂感から降りられなくなっていた。
 そして、わずか2分後に再び絶頂を迎えさせられてしまったのだった。
 しかし、なおも続く機械の陵辱。

「あひっ・・・イ・・・イッた・・・・・・今、イッた・・・イッたぁぁ・・・だか・・ら・もう・・・」

 連続して立て続けにイカされてしまった希は、普段の強気な態度を捨て、とうとう屈辱的な言葉を出して、動きを止めてもらうように働きかける。
 しかし、男子たちに操られたマニピュレータは、そんな希の希望を、跡形もなく崩してしまうのだった。

「イ・・・イッた・・・イッたのっ!
 イッたから・・・もう止め・・・んあぁぁぁっっっ!!」

 なおも止まらずに希の身体をいじりまわしつづける幾つものマニピュレータは、なおも責め立てるのだった。

(・・・も・・・もう無・・・理・・・・・・・・・あぁぁぁっっ・・・・)

 希の瞳から涙が零れ落ち、声にならない悲鳴が漏れる。
 それでも、男子たちの欲望によって操られたスポンジもブラシも、動きを止めることはないのだった。

   ・
   ・
   ・

 30分後、希の全身洗浄は終わった。
 その間、希は6回の絶頂を迎えさせられ、全身を汗だくに、股間を愛液まみれにされた後に、もう一度全身をボディーソープで洗われた。
 そして、浴場全体から噴き出す温風によって全身を乾かした後、ようやく洗浄完了のサインが点った。
 洗浄終了のサインとともに、再び恵理子が浴場の中に入り、疲れ果てて息を乱している希のシートのロックをはずすと、希を浴場から運び出し、ようやく全身拘束のバンドを外して、両腕以外の自由を希に与えたのだった。
 

 ぐったりとする希を抱えて、恵理子は再び反省室へと連れていった。


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