第55章
「さ、次は由紀ちゃんの番ね」
香織から発せられた言葉に、由紀は思わず息を詰まらせた。
たった今、自分のすぐ隣で繰り広げられた瑞穂の、余りに凄惨な辱めは、この学園にて日が浅い由紀にとっては、衝撃以外のなにものでもない。
そのため、まだ、由紀はそのショックから立ち直ってはいなかった。
「それじゃあ”レ”の音よ。
さんはい!」
そんな由紀の様子などお構いなしに、香織はついさっきまで瑞穂をいたぶっていたことなど忘れたかのような明るい声で、由紀の方に指を向けながら言ってきた。
シーン・・・・。
だが、香織の望む音は鳴り響かず、一瞬の静寂が音楽室を包み込む。
「あら?どうしたの、由紀ちゃん。
ほら、”レ”よ、”レ”」
香織が、さも不思議そうな顔で由紀に問い掛ける。
それでも、由紀は動かなかった。
いや、正確に言えば、由紀は動かなかったのではなく、動けなかったのである。
自分のすぐ横で、予想すらできないような恥態が繰り広げられたことによる一時的な思考混乱をきたしていたのだった。
(・・・・瑞穂ちゃん・・・・・アソコに糸を・・・・・あんなの・・・・だめ・・・・・・もし私がされたら・・・・・)
由紀は、自分が香織に呼ばれていることに、まだ気がついてはいなかった。
「由紀ちゃん、由紀ちゃん!、ゆーきーちゃん!!!」
香織がちょっと昂ぶった声でぼうっとしている由紀に呼びかけた。
「はっ・・・・えっ??」
由紀は、ようやく自分の名前が呼ばれていることに気がついて、一瞬慌てた。
「由紀ちゃん!!!」
「はっ、はいっ!!」
由紀は、香織の厳しい口調に、肩をすくめて怯えたように返事をした。
「由紀ちゃん、あなたも瑞穂ちゃんみたいに、自分ではできないの?」
香織は、少しとがめるような口調で由紀に問い掛ける。
由紀は、そこでようやく、今、自分が演奏を求められているのだということに気がついた。
「え・・・あ・・・・いえ・・・・」
由紀は、今の状況に頭がついていかず、しどろもどろになってしまう。
「しょうがないわねぇ、それじゃあ由紀ちゃんもおまじないする?
まだ糸ならたくさんあるから」
香織は、いかにもしょうがないという感じを見せつつ、それでいてちょっとにやけながら、ポケットから、今、瑞穂を緊縛しているのと同じ糸をもう1本取り出して、由紀に歩み寄ろうとした。
「えっ、い・・いやっ!!
で、できます、自分でできます!!
だ、だから、それは・・・それだけは・・・・・」
由紀は、今の自分が、非常に危険な状況にあるということにようやく気がつき、必死になって香織に言い訳をした。
「本当にできる?
うそじゃないわよね」
香織は、歩みを止めて、由紀に詰め寄る。
「はい・・・・で、できます・・・・・」
「わかったわ。
それじゃあ、おまじないは、まだしないでおいてあげる。
でも、この次鳴らさなかったら、今度こそおまじないだからね」
「は、はいっ!!」
由紀は、ビクッとしながら怯えたように返事をした。
(・・・次はやらなきゃ・・・・アレは・・・・ダメ・・・・)
由紀は、チラッと隣の瑞穂を見つめた。
瑞穂の目からは涙が溢れている。
その視線を下にずらすと、そこには瑞穂の股間と香織の手とを結ぶ、白く光る糸が見える。
それだけは絶対に避けなければならなかった。
「それじゃあ、今度こそいいわね。
由紀ちゃん、はい、”レ”!」
由紀は、その声を聞いて、一瞬目をつむって躊躇したあと、思い切って腰を前に突き出した。
ただでさえ両脚をがに股に広げるというはしたない格好をしているために、スリットが開いてしまい、その中の恥ずかしいクレヴァスを露にしている由紀のミニスカートがさらに広がり、嫌でも無毛の股間に意識が集中してしまう。
だが、それに耐えなければ、それを遥かに越える恥辱が待ち構えているのだ。
やらないわけにはいかなかった。
シーン
だが、由紀の決死の覚悟をもって振り出された股間からは、ハンドベルの音色は響かなかった。
(えっ・・・・な、鳴らない!!)
由紀は、狼狽した。
泣きそうになるほどの羞恥心に耐えながら、思いきって腰を突き出したのである。
当然、スカートはめくれ上がり、左右に分かれ、その奥に隠されなければならない女の子の花が男子生徒たちの目に映ったことは疑いようがない。
なのに、ベルは音を響かせなかった。
「由紀ちゃん、音、鳴ってないわよ。
ダメじゃない、そんなちっちゃな腰の動きじゃ、ベルは鳴らせないわよ。
もう1度だけチャンスをあげる。
次鳴らせなかったら、今度こそおまじないだからね」
(う・・・うそ・・・思いきって・・・・恥ずかしいのに・・・思いきって鳴らそうとしたのに・・・・)
由紀は、一瞬目の前が暗くなる思いだった。
由紀が決死の覚悟で腰を振りたてたにもかかわらず、ハンドベルの中の振り子、クラッパーは、押さえられているばねの力に抗いきれずに、音を鳴らすには至らなかったのである。
「それじゃあ、さんはい!!」
そんな絶望感に浸る間もなく、香織が最後の勧告を促した。
(えっ・・・あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・えいっ!!)
由紀は一瞬の戸惑いの後、湧き上がる羞恥心を必死に押さえ込み、次こそはと思い切って腰を前に突き出した。
由紀の身体が、90度に曲がるのではないかと思われるほどに、大きく背中が反らされた。
その反動で、由紀の腰はあられもなく前に、すなわち男子の方に突き出される。
身体が折れ曲がるほどの角度で腰を突き出した由紀の股間は、その全てが男子の網膜に焼き付けられることとなった。
そこまで腰を突き上げれば、もはやスカートなどないに等しい。
由紀の秘部は、その全てが明るみに出ていた。
割れ目の端にひっそりとたたずむ敏感な肉芽、ハンドベルをパックリと咥え込みタラタラと愛の蜜を滴らせている雌花が全て男子生徒たちの熱い視線に晒されたのであった。
がに股になって腰だけを勢いよく前方に限界まで突き出したその姿は、余りに卑猥で、決して年頃の乙女が取るべき姿ではなかった。
だが、この聖女学園では、そんな可憐な乙女たちだからこそ、このような恥知らずな格好をさせられるのである。
そして、由紀が腰を突き上げ、女の子としての恥じらいの全てを男子と香織に見せてしまった瞬間、
♪リーーーーーン
と、今までのベルを鳴らしてきた少女たちの中で、最も大きなベルの音が、音楽室に響き渡った。
だが、それと同時に思いもよらぬ音が重なってくる。
「んひぃぃぃぃ!!!」
その音、いやその声は、仰け反って天井を仰ぎ見た由紀の口からほとばしっていた。
そう、勢いよく腰を突き出し、そして予想以上に大きな音を響かせたハンドベルは、その音をまるで反射させるかのように、強烈な刺激を由紀の股間に突きつけたのである。
そもそも音というのは振動である。
ハンドベルがクラッパーの打撃によって震えることで、空気を揺らし、その空気の振動こそが音となる。
そして音の強さは振動の強さに比例する。
すなわち、大きな音を鳴らすということは、それだけハンドベル全体を強く振動させるということなのである。
当然、その振動は、ハンドベルを支えている由紀の膣の粘壁にフィードバックされることになるのだ。
由紀は、予想もしなかった痺れるような振動が、突然股間の最深部に発生したことによって、一気に悶えさせられてしまった。
「あぁぁぁぁ・・・・」
ハンドベルの余韻が鳴り響いている間、由紀の股間には痺れるような刺激が、続くこととなった。
「由紀ちゃん、すばらしい音色だったわよ。
こんなにきれいな音を出せるなんて、由紀ちゃん才能あるわ、きっと。
それに音を鳴らしたときの由紀ちゃんの顔、すっごくかわいかったぁ♪
その音と顔に免じて、おまじないは許してあげる」
香織は、予想以上の音と反応を見せてくれた由紀に、すごく嬉しそうな口調でそう言った。
「あ・・・は、はい・・・・あ、ありがとう・・・ございます」
だが、当の由紀の方は、まだビリビリと痺れる女の芯を庇うように、できるだけ内股になり、幾分腰を引き気味にして、必死に股間の疼きに耐えているのだった。
いまだに股間の奥底には、ジンジンと言い知れぬ響きが残っており、腰の震えがとまらない。
おまけに、その刺激に誘発された由紀の女陰は、新たな快感に呼応して溢れんばかりの愛蜜を吐き出してくる。
「あ・・・うぅ・・・も・・もう・・・、止まってぇ・・・」
由紀は、ベルの振動が収まるまで、いや、子宮の奥の共振が収まるまで、両脚をがくがくと震わせながら、喘ぎ声を漏らし、愛液を滴らせながら、身悶え続けるのだった。
その間、ハンドベルをしっかりと咥え込んだ由紀の肉裂はヒクヒクと震えており、見るもの全てに、由紀の全身を駆け巡る狂おしいまでの淫らな刺激の強烈さを、雄弁に語っていた。
そうして、ようやく痺れるような快感が薄れ始めたころ、由紀の両足の間には、落ちてくる雫に大きく波紋を広げる水溜りができ上がっていた。
こうして、ちょっとしたハプニングはあったものの、由紀はどうにかハンドベルの音を自分で鳴らすことができたのであった。