第28章


「はい、それじゃあ柔軟体操はおしまい」
 京香の声によって、少女たちの恥辱の柔軟体操がようやく終わった。
 今まで、自らの恥ずかしい部分を男子たちに晒していた瑞穂と真由美は、すぐさま脚を閉じ、最も恥ずかしい部分を男子たちの目から隠して立ち上がった。
 それとは対照的に、京香は赤い顔をしながらも、ゆっくりとした動作で脚を閉じ、立ち上がった。

「はい、それじゃあ準備運動はこのぐらいにして授業に入りましょう。
 きょうは、前半はバスケットボール。
 そして後半はマット運動よ。
 それじゃあ、班長はボールを用意して」
 班長である少女たちは、京香の指示にしたがって用具室からバスケットボールを取ってきて、再び自分の列の先頭に並んだ。
「はい、じゃあ各班に分かれてパスとシュートの練習!」
 京香の指示によって、生徒たちは各班ごとに体育館に散り、思い思いに練習を始めていった。
 班の構成は5人で、そのうち1人が女子である。
 一応、女子が各班の班長ということになっているので、少女たちの指示によって円形になってパス練習をしたり、ゴール際でシュート練習などを始めていった。
 そうして、しばらくの間、いたって普通の体育の授業が進み、その後、各班対抗のゲームをすることになった。
 対戦相手は班長のじゃんけんで決め、2面のコートを使って5分間の試合を何度か行うこととなった。

 1チーム、4人の男子と1人の女子。
 いくら女子たちの運動神経がよくても、男子たちの中ではついていくのは大変である。
 そのため、少女たちは、男子たち以上に一生懸命頑張って走らなければならない。
 しかも、男子たちも女子を足手まといに思うどころか、逆にどんどんパスを回してくるのだ。
 パスを受けた少女たちは、さらに必死にに駆けまわらなければならない。
 そして、少女たちを一生懸命走らせることこそが、クラスの男子たちの目的でもあった。
 

 第1試合で、由紀は希のチームと対戦していた。
 男子たちの中に混じってゲームをするというのは大変である。
 運動が苦手というわけではないのだが、基本的な体力が違う。
 そして、それは希にしても同じであった。
 希は、かなりスポーツが得意らしくバスケットもかなりきれいなフォームでプレイしている。
 しかし、やはり女の子である。
 試合が進んでいくうちに息が上がり、汗をかいていった。
 そして、それが男子たちの本当の意図であった。

(や、やだ・・・希ちゃん・・・・透けてる・・・・。
 あ、わ、わたしもだ!!)
 男子たちについていくために、常に全力で走らなければならない由紀と希は、身体じゅうから汗を噴き出していた。
 そして、その汗は的確にTシャツの生地の色を落としていっているのだ。
 まずはじめは、胸の部分。
 先端の一番恥ずかしいピンクの部分から、少しずつ透けていくのである。
 由紀は慌てて胸を隠そうとするが、間断なくボールをパスされるため、なかなか胸をかばうことはできない。
 そして、ボールを持ったら、ドリブルをして走らなければならないのだ。
 当然、さらに汗をかいていく。
 そして、男子たちも女子を休ませまいと、どんどんボールを渡し、走らせる。
 
 第1試合終わるころには、由紀のTシャツも、そして希のTシャツも、そのほとんどが透けて身体にぴったりと張り付いていた。
 ほとんど上半身裸でいるようなものである。
 由紀も希も羞恥心に顔を染めながら必死にバスケットを続け、魅力的な肉体を体育館で所狭しと飛び交わせていた。
 ようやく、1試合が終わり、2人は胸を押さえて立ちすくむ。
 隣で試合をしていた瑞穂と綾も同じように上半身が丸見えとなっていた。
 

 1つ目のゲームが終わると、続いて相手を変えて2ゲーム目が始められる。
 由紀は、引き続きゲームをすることになった。
 5チームで2面のコートを使っているため、休めるのは1班だけなのである。
 さっきは真由美の班が休み、今度は瑞穂の班の休憩だった。
 由紀は、疲れた身体を持ち上げ、透けて丸見えになっている胸を隠しながら、コートの方へと歩いていった。
 その試合でも、由紀は人一倍走らされた。
 もう、全身汗だらけになっており、Tシャツも水分をじっとりと吸って重くなっている。
 そして、さらに水分を吸ったTシャツは、完全な透明と成り果ててしまっていた。

 由紀は、3ゲーム目でようやく休むことができ、呼吸を整えることはできた。
 ゲームをしている少女たちの姿を見れば、既にみんな上半身にものを着ているとは到底思えないほどに透けきっており、ほとんどブルマー1枚で走ったり跳んだりして入るようなものだった。
 そして、由紀が休んでいるその休憩中に、水分を大量に含んだTシャツの色が戻ることはなかった。
 まだ透けたTシャツによって上半身の素肌を晒されたまま、由紀は次のゲームを始めるしかなかった。
 

 5ゲーム目が終わったところで、ちょうど1時間目終了のチャイムが鳴った。
「はい、そこまで。
 1時間目は終わりよ。
 休み時間をはさんで、2時間目はマット運動をします。
 それじゃあ、一旦休憩」
 京香はそう言うと、Tシャツと割れたスパッツ姿のままで体育館を後にした。
 

 ようやくきつい練習から解放された少女たちは、体育館の隅に集まって休んでいた。
 5人とも、Tシャツは完全に透明に透けたままであり、皆、露になった自分の胸を両腕で隠している。
 遠目に見れば、裸にブルマー1枚だけを着ているようにも見える姿である。
 大きく発育した胸を隠している真由美。
 程よく突き出した胸を隠している希。
 小ぶりな乳房を隠している瑞穂。
 膨らみはじめた薄い乳房を隠している由紀。
 そして、ほとんど膨らみを見せない胸を隠している綾。
 皆、この上なくエロチックな光景として、男子たちの目に晒されていた。
 

「あぁ、疲れたわ。
 やっぱり男子と同じっていうのはきついわ」
 息を切らせながら、希がつぶやいた。
「わたくし、ほとんどついていけませんでしたわ」
「当たり前だよ。
 わたしでさえついていくのがきついんだから。
 瑞穂じゃ、すぐにばてちゃうよ」
「綾も疲れた〜・・・」
 皆、胸を隠しながらさっきまでのバスケットの話をしていた。
 と、そこに小さな声で由紀が質問した。
「ね、ねえ、このTシャツ、いつまで透けているの?
 さっきから全然乾かないんだけど・・・・」
 そう、少女たちのTシャツは、バスケットの試合の最中からずっと透けたままだった。
 不安げに尋ねる由紀に、希が答えた。
「あ、このTシャツね・・・。
 このTシャツはすっごく吸湿性がいいんだけど、一旦水分を吸うと、なかなか乾かないのよ。
 そして、湿っている間は・・・・ずっとこんな感じで・・・・・透けているの・・・・。
 さっきかいた汗の量から考えると、多分2時間目が終わるまでに乾くことは・・・ないと思うわ」
 希は、しっかりと胸を手で隠しながら、つぶやくように由紀に告げた。
「え、そ、それじゃあ、2時間目のマット運動はこのままでやるの・・・・」
「そうよ。
 いつも、体育の時間はまず1時間目に女の子たちに汗をかかせるの。
 そして、女子のTシャツが完全に透けてから次の種目に移るのよ。
 一旦透けたTシャツは、体育の時間中に元に戻ることは、まずないわ。
 ホントに、エッチな仕組みになっているの・・・」
 真由美が、本当に嫌そうな顔をして、この学校の体育のシステムを由紀に教えてくれた。

「あ、2時間目はマット運動ですよね。
 やはり、また・・・・あ、あれを・・・するのでしょうか・・・・。
 きょうは、このブルマーですし・・・」
「え〜、綾、あれ・・・・イヤ」
 不安そうな顔をしながらつぶやく瑞穂に、綾があからさまに嫌そうな顔をする。
「多分・・・、するでしょうね。
 結局のところ、わたしたちに恥ずかしい思いをさせるのが、体育の授業の目的みたいなもんだから・・・」
 希は、神妙な顔つきで、みんなにそう告げた。
「え、な、何?
 マット運動に何があるの?!」
 由紀は、おびえた表情で希に詰め寄った。
 そして、その内容を聞いて、目の前が真っ暗になったような気がした。


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