第22章


 真由美が恥ずかしい排泄を行っているとき、由紀と希は、クラスメートのその恥態を目にしていた。
 小刻みに震えながら女として、いや人として最も見られたくない瞬間を晒す恥辱。
 見ている2人も身体が震え出した。

 と、そのうち、一番端っこでおしっこをしていた少女が立ち上がった。
 どうやら用を終えたらしい。
 その少女は赤い顔をしながら、逃げるようにトイレの外に出て行った。
「どうする?由紀ちゃん。
 先にする?」
 希は、由紀に尋ねた。
 由紀は、暗い顔をしながら無言で首を横に振った。
 まだ、ここで排泄する決心がついていないのである。
 たった今、真由美の恥ずかしい姿を見たことが、さらに由紀の羞恥心をかきたて、決意を鈍らせていた。
「そう・・・じゃあ、わたしからするね。
 でも、次が空いたら由紀ちゃんの番よ。
 ・・・・・・しないわけにはいかないんだから・・・・・・。
 学校でしたくなかったら、ここでするしかないわ」
「う・・・うん・・・・」
「それじゃあ、後がつかえているみたいだから、わたしからするね」
 希は、そう言って一番端のこちら向きの便器の方へと歩いて行った。
 由紀は、希の言葉を聞いて後ろを振り返った。
 由紀の後ろには、1人の少女が順番を待つために並んでいた。
(次が空いたら・・・・・・しなくちゃ・・・・・・)
 後ろに次の人が並んでいる以上、自分が止まるわけにはいかない。
 由紀は、震えながら自分の順番を待った。
 

 ちょうど、真由美の排便が終わったとき、希の隣でおしっこをしていた少女が立ち上がった。
 由紀は、表情を強ばらせる。
 立ち上がった少女は、うつむきながらおずおずとトイレを後にした。
 由紀は、一回深呼吸をして心を落ち着かせようとしたが、成功しなかった。
 仕方なく、不安な気持ちのままで由紀は便器の方へと歩いていく。

 端から2番目、希の隣の便器。
 希はガラスドアの方を向いているので、その隣の由紀はマジックミラーの方を向かなければならない。
(男子の方を見ながらしなきゃならないの・・・・・)
 由紀は、恥ずかしい姿を男子たちの方を向きながらしなければならないという状況に顔を曇らせた。

 しかし、どちらがいいのだろうか。
 うんちをする場合には、確かに男子たちの方を向いて恥ずかしい表情を見られるのは耐えられない。
 しかし、後ろを向いてすれば、先ほど由紀たちが見た真由美の姿、つまり肛門からうんちが出てくる様子を極めつけの角度から見せつけるようにしなければならない。
 どちらも、救いようがないほど恥ずかしいのは確かである。

 由紀は、隣で腰を下ろした希の横を通り抜けて、自分の便器の前に立った。
 そして、鏡のほうを向いてお尻を便器の方に向けると、ゆっくりとパジャマのゴムに指をかけた。
 しかし、きのうの夜と同じように、なかなか手が動いてくれない。
(はやくしなくちゃ・・・・・お願い・・・・誰も見ないで・・・・・・)
 到底かなえられない願いを心に抱きながら、由紀はパジャマのズボンを下ろしていった。
 由紀のパジャマが膝まで下りると、さっきはいたばかりの白いショーツが現れた。
 由紀は、鏡から顔をそむけながら、そのショーツも膝まで下ろしていく。
 真っ白な無毛の股間に一筋の線が現れる。
 由紀は、すぐさま股間を両手で隠し、そのまま透明な便器の上に腰を下ろしていった。

 由紀が、ようやく便器にお尻をつけたとき、少し離れたところから、淫らな声が聞こえてきた。
 周りの気配に敏感になっていた由紀は、ビクッとして股間を手で押さえながら声のした方に目を向けた。
 声の主は由紀の2つ隣で用を足していた真由美であった。
 真由美は、ウォッシュレットを使いながら身悶えているように見える。
 由紀は、それがどうしてなのかはよくわからなかったが、このトイレには、自分がまだ知らない、いやらしい仕掛けが隠されているということだけは、なんとなく感じることができた。
 

 由紀は、便器に腰を下ろしてから、顔を真っ赤にしてうつむいている。
 しかし、まだ排泄の体勢には入っていなかった。
 どうしても、決心がつかないのだ。
(いやだ・・・・こんなみんなが見ているところで・・・・・・・おっきい方なんて・・・・・・・・・)

 当然である。
 本来であれば、こんな姿は一生誰にも見られることなく過ごすのが普通なのだ。
 それを、後ろからは同じ年代の女の子に、そして前からはマジックミラーを通して男子から見られるという悪夢のような状況の中で、自分の意志で排便をしなければならない。
 とても、普通の感性では耐えられるものではない。
 由紀は、便器に座ってから、1分ぐらいの間、赤い顔をうつむかせながら黙って座っていた。

 由紀がそうしている間に、真由美が恥ずかしい責めから解放されてトイレを出ていき、隣でおしっこをしていた希も、便器を立っていた。
 どうやら、希のウォッシュレットは普通の動きしかしなかったようだ。
 希は、自分の用が終わり、立ち上がると隣の便器に座っている由紀の方に寄って、声をかけた。
「由紀ちゃん・・・・まだ?」
「えっ!!
 あ・・・・・・う、うん・・・・・・」
 突然かけられた言葉に、由紀はびっくりして振り向きながら答えた。
 普通、トイレの中で、すぐそばから声をかけられるなんてことはありえない。
 しかし、ここではそれが可能だった。
 何せ、隣の便器と隔てるものは何もないのである・・・。

「でも・・・・・・早くしないと、学校の時間もあるし、それに後ろで待っている子たちも・・・・・」
「え、う・・・・・・・うん、わかった・・・・・・」
 由紀はチラッと後ろを振り返った。
 既に順番待ちの人数は3人になっている。
 その中には、瑞穂と綾も混じっていた。
 みんな、順番を待っているようである。
(みんな、待っているのね・・・・・は、早くしないと・・・・・・)
 由紀は、心を決めて排便することにした。
 早くしなければ周りに迷惑をかけてしまう。
 それに、どんどん人が増えていくのも、恥ずかしさを増していくだけである。

「う・・・・・・ん・・・・・・・・・」
 由紀は、周りの目を気にしながらも、控えめに身体を力ませた。
 うんちをするために必死にいきんでいる姿、そして表情など、たとえ同性であっても見られたくはない。
 由紀は、こんな衆目の中で、力いっぱい力んで排便をするのだけは避けたかったのである。
 しかし、そんな弱い力では、お腹の中の汚物の塊は、なかなか出てきそうになかった。
(だめ・・・・出ない・・・・・・)
 由紀はうんちをするのをやめようかと思った。
 しかし、健康な由紀は毎朝の排便を欠かさずにしており、便秘になったことなどはほとんどない。
 たとえ、今ここでしなかったとしても、1日中学校で耐えることはできないだろう。
 そうなれば、嫌でも学校のあの公開トイレでしなくてはならなくなる。
 鏡で隔てられたこのトイレでもこんなに恥ずかしいのに、周りからじろじろと見られてしまう学校のトイレでは、絶対にできるわけがない。
 由紀は、今だけは、この健康な排便のリズムを恨めしく思った。
 便秘であれば、この羞恥の回数はそれだけ少なくて済むはずなのだ。

 しかし、実際には便秘の少女たちにも大きな苦しみがあるのだ。
 便秘の少女たちは、確かに排便の回数こそ少ないものの、排便するときの恥辱は健康な少女たちを遥かに上回る。
 まず、長時間体内に留まった大便は水分が少なくなり、硬くなる。
 そして、毎日出していない分だけ、大量の大便が蓄積される。
 便秘の少女たちは、硬く固まったうんちをひり出すために、そのかわいらしい顔を必死にゆがませ、力いっぱいいきまなければならない。
 そして、出てくるうんちは硬く、そして量も少なくはないのだ。

 そんな便秘の少女の悩みを知らずに、自分の体質を恨む由紀だったが、どんなに思ったところで由紀の体質が変わるわけではない。
 由紀は、何としても、今ここで排便しなければならなかった。
 たとえ、どんなに恥ずかしい思いをしようとも・・・。
 

「ん・・・く・・・・・・んんん・・・・・」
 弱い力では埒があかないと思った由紀は、少しずつお腹に入れる力を強めていく。
 それに従って、由紀の清純でかわいらしい顔が、きつく、険しい表情になっていった。
 うんちを出すために、お腹に力を入れて力むためにゆがませている表情など、とても人に見せることはできない。
 しかし、今の由紀には、その姿を隠す術は一切与えられていなかった。

 さらに数十秒ほどたった後、ようやく由紀のお尻から恥ずかしい汚辱の塊が顔を出してきた。
「あぁ・・・・いや・・・・」
 お尻の穴から何かが出てくる感覚に、由紀は恥ずかしさを増加させる。

 由紀の排便の姿を後ろから見ている瑞穂と綾には、先ほど由紀が目にした光景と同じものが見えていた。
 震える由紀のセピア色の肛門が、少しずつ開いてきたかと思うと、その奥から、茶色い塊が生まれてくる。
 どんなにきれいな女性でも、どんなにかわいらしい美少女でも、そのお尻の穴から出てくるものは、普通の人と一緒である。
 とても、由紀の身体から出てくるとは思えないような汚い塊が、少しずつ、少しずつその長さを伸ばしていった。

 由紀は、今、自分が晒している姿を思い浮かべて、目に涙を溜めて震えていた。
 既に顔は恥辱にまみれて真っ赤に染まっている。
 そして、決して目の前の鏡を見ないようにと、下を向き、息を荒げながら屈辱の排便をしていた。
(あぁ・・・わたし、今、みんなの前で・・・・う、うんち・・・・してる・・・・・・
 もう、いや・・・・たすけて・・・・)
 しかし、由紀の望みもむなしく、由紀のお尻から垂れ下がったうんちは、なかなか落ちようとはしなかった。
 ガラスの便器を通して見える由紀のお尻からは、一本の茶色い棒がぶら下がって揺れている。
 それは、それ以上伸びることもなければ、落ちることもなかった。
(ど、どうして・・・・は、はやくおわってよ!
 おねがい!!)
 由紀は、なかなか終わらないこの恥辱に焦った。
 そして、早くこの恥ずかしい恥態を終わらせようと、小刻みに身体を震わせた。
 しかし、由紀のお尻にぶら下がった恥辱は、ふるふると揺れるだけで、一向に落ちていく様子はない。
 仕方なく、由紀はさらにお腹の中から押し出そうと、下腹部に力を込めた。

 すると、不意にお尻の方ではなく、前の方が決壊した。
 プシュッという音とともに、由紀のかわいらしい割れ目の奥から、黄色い清水がほとばしった。
 由紀は、お尻からはうんちを、そして恥ずかしい割れ目からはおしっこを同時に垂らすという、この上なく恥ずかしい姿を晒してしまった。
「い、いやーーーー!!!!」
 自分の情けない姿に思わず声を上げてしまう由紀。
 しかし、一旦流れ出た水流は本人の意志とは無関係に流れ続ける。

 そうして、さらに数十秒ほどおしっことうんちを垂らしていた由紀だったが、放尿が終わると同時に、お尻から垂れ下がっていた茶色い塊が、不意に便器に落ちた。
 ベチャッという音がして、由紀の体内からひり出された汚物の塊が、たった今流れ出した温かいおしっこの池の中に落ちていった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・う・・・うぅ・・・・」
 ようやく、恥ずかしい排泄を終えた由紀は、肩で息をしていた。
 目からは涙が流れ出している。
 

 しばらく、放心していた由紀だったが、思い出したように、横にあるウォッシュレットのボタンを押した。
 由紀は、このウォッシュレットがただの洗浄水ではなく、自分の身体を官能の海に引きずり込む催淫剤であることを身をもって知っている。
 しかし、排泄の後はこれで洗浄するのが寮の決まりであるとも、希から聞かされていた。
「あひっ!」
 強力な洗浄水の圧力が由紀のお尻に当たる。
 その水圧は、由紀の肛門をこじ開けようとしているかのようである。
「くっ・・・・ん!!!!」
 由紀は、それでも、なんとか耐えてお尻の洗浄を終えた。
 すると、今度はノズルが伸びてきて、由紀の恥ずかしい割れ目の所に水が当たる。
 その水流は、まるでマッサージでもするかのように、由紀の股間の二枚貝に、強弱のリズムをつけて噴きつけられた。
「くひぃぃ・・・・・・んあぁ・・・・」
 由紀は、ウォッシュレットの容赦のない責めに、甘い声を漏らしてしまう。
 しかし、由紀の股間をいたぶっていたウォッシュレットは、真由美のときとは違い、すぐにその水流を収めて、元に戻っていった。
「あふぅ・・・・・ふぅ・・・・・・」
 わずかに上ずった声を出しながら、由紀はようやく恥ずかしい排泄が終わったのを感じた。
 そして、さっき真由美が悶えていた理由を、わずかながらではあるが、感じとったのだった。
 

 由紀は、ゆっくりと顔を上げて目の前の鏡を見た。
 そこには、たった今うんちとおしっこを排泄した少女が、便器に座って正面を見ている姿があった。
 しかも、透明な便器の中には、由紀が今まさに出したばかりの茶色い汚物の塊と、黄色い水溜りが残っている。
 女として最も見られたくはない姿を晒した少女が、目の前にはいた。
 しかも、この姿はそのままこの鏡の向こう側の男子に見られているはずなのである。
 

 由紀は、自分の姿の情けなさ、恥ずかしさに涙を流しながら立ち上がると、ちょっと戸惑ってから両手を股間から離して、トイレットペーパーを取る。
 そして、再び片手で脚の付け根を隠してから、もう片方の手を後ろに持っていき、背中の方からお尻にトイレットペーパーをもっていった。
 ウォッシュレットによって洗浄された由紀のお尻は、ほとんど汚れていない。
 お尻に残った湿り気をトイレットペーパーで拭き取ってから、新たな紙で今度は前の方を拭いた。
 そして、そのトイレットペーパーを便器に入れると、水洗ボタンを押す。
 ゴーっという音がして、ようやく由紀の恥辱の跡を流し去っていった。
 

 由紀は、水を流した後、ふと自分の姿に気がついて、急いでショーツとズボンを上げた。
 これで、ようやく由紀の朝の排泄が終わった。
(こんなことを毎日続けるの・・・・・・耐えられない・・・・・・)
 由紀は、たった一回でこんなに恥ずかしい思いのする朝の排便に、暗い気持ちになった。
 そんな由紀に、希の声がかけられる。
「さ、由紀ちゃん、部屋に戻りましょ。
 早くしないと、遅刻しちゃうわ」
 希と由紀はトイレの入り口にある洗面台で手を洗い、トイレを出ようとした。
 由紀がふと振り向くと、さっき由紀が座っていた便器には、瑞穂が座っている。
 鏡の中に映った瑞穂の顔は、少し離れた由紀からもはっきりとわかるほど赤くなっており、人一倍強い羞恥心に身悶えているのがわかった。
 

 由紀は、逃げるように急いでそのトイレを後にした。


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