入学前の記録
〜穢れを知らない少女たち〜


 聖女学園では、入学する女子生徒について、非常に入念な調査を行い、入学資格の審査を行っている。
 それは、面接などだけではわからない、少女たちの外見から内面にいたるまで、あらゆる面に及ぶ。
 したがって、聖女学園に入学する少女たちは、本人たちの知らないところで、皆、小学生のころから聖女学園の専門調査機関によって容姿、成績、性格はもとより、身体の隅々まで、その発育や感度といった個人的な秘密に至るまで、全て調べ上げられている。
 その調査の過程において、いたるところで、少女たちのさまざまな様子が記録として収められ、それらは全て聖女学園のデータベースとして保管されている。
 その記録の中には、少女たちに気づかれないように、秘密裏に撮影されたありとあらゆる写真や映像も含まれているのだった。

 それら入学前の小学生時代の写真の存在は、入学当初、女子生徒本人たちには知らされず秘密にされ、男子生徒のみに公開される。
 したがって、聖女学園に入学してからしばらくの間は、自分たちが小学生時代に学園の調査機関によって隅々まで調べ上げられていることも、自らの知らないところで、自分たちの恥ずかしい記録が残されていることも、少女たちは知ることはない。
 そして、入学から3ヶ月後、1学期も終わりに近づいたころに、この入学前のデータベースが女子生徒にも公開されることになるのである。
 その公開方法は、毎年異なっている。
 ある年は、アルバムのような冊子にして配布された。
 また、ある年は、学校新聞の特集として掲載されたこともある。
 その公開方法は、その年の同級生の男子生徒たちによって、決められるのである。
 そして最近では、去年の夏ごろ、現在2年生の女子生徒たちの小学生時代の恥録が公開された。
 それは、学校の掲示板に、その年入学した1年生の、小学生時代の写真を掲示するというものだった。
 写真は、同級生の男子生徒によって選ばれ、それぞれの写真にコメントをつけて掲示された。

 この掲示板を目にした1年生の女子生徒たちは、このときはじめて、自分たちが入学前からこの学園によって監視され、そしてありとあらゆる恥ずかしい姿が写真に収められていることを知ることになった。
 聖女学園に入学してからというもの、いやらしいことをされなかった日はないと言えるほどに、毎日エッチな目にあわされている少女たちだが、まさか、この学園に入る前から、既に監視され、自分たちの恥ずかしい姿や秘密までもが奪われていることに、激しい驚きと羞恥、そして絶望を感じることとなった。
 少女たちは、その自分たちの恥ずかしい写真を掲示板からはがそうとするが、強化ガラスのケースに入れられた掲示板に貼られているために、その写真を隠すこともはがすこともできはしない。
 そんな、少女たちがまだ何も知らずにすごしていたころの無防備な恥態が晒された写真の数々は、その後1週間、毎日写真を替えて数十枚掲示されたのであった。


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