新薬開発の臨床試験



 ある日、聖女学園の掲示板に一枚のプリントが貼り出された。
 それは、聖女学園の研究所において現在開発されている新薬の臨床試験に関する被検者募集の告知であった。



 それは、聖女学園の研究所が新たに開発している特製媚薬の臨床試験実施と、そのモニター被検者を募集するという内容の掲示だった。
 しかもその新薬というのは、特に粘膜部の感度を鋭敏化させるとともに、掻痒作用や性感高揚、粘液分泌作用の効果を、従来よりも2倍以上に引き上げているという、悪魔のような代物である。
 つまり、ただでさえ敏感な陰部――特に粘膜の神経を過敏にして感じやすくさせた上で、強い痒みを引き起こさせ、性感を昂ぶらせ、なおかつ愛液をあふれさせる効用を、これ までの媚薬の少なくとも2倍以上の効果で作用させるというのだから、これまでに聖女学園の特製媚薬をその身に受けたことがある女子生徒であれば、信じられ ない思いであろう。
 おまけに、筋弛緩作用が副作用として出るというのだから、尿道や膣、そして肛門の力が抜けて、みっともないモノを垂れ流してしまう可能性も高く、その上、局所充血促進作用まであるということで、ただでさえ敏感な女の子の弱点がより鋭敏になることは、想像に難くない。
 そんな女子生徒の誰もが忌避するような新薬の臨床試験を実施するということで、そのモニター被検者が募集されたのだが、当然そんなものに自ら名乗りを上げるような女子生徒がいるはずもない。
 しかし、女子生徒たちは、このモニター被検者募集の掲示を無視することはできなかった。
 募集が「立候補」となっているのだが、そこには注記がなされており、その注記によると、もし誰もモニター被検者に立候補しなかった場合には、無作為抽選によって各学年から3人の女子生徒が選出されてしまうというのである。
 こうなってしまうと、女子生徒たちはこのモニター被検者の募集を完全に無視することはできなくなる。
 もし、誰も立候補しなければ、9人もの犠牲者が、この悪魔のような新薬の餌食となってしまうのだ。
 その臨床試験の方法というのもまた、女子生徒たちにとって無慈悲で恥辱的な方法であった。
 全裸となって廊下の柱に両手両脚を拘束された上で、この悪魔の媚薬を股間に塗りつけられ、その様子を機械と教職員や男子生徒たちの目によって観察されるのである。
 手足の自由を奪われた状態で媚薬塗布を受けるという恐怖は、聖女学園の女子生徒であれば、誰もが一度は覚えのある地獄の経験である。
 どんなに身体が疼いても、どれほど恥ずかしく敏感な部分に痒みが襲いかかろうとも、自力では一切その欲求を発散することも鎮めることもできないのだから。
 それが、少なくともこれまで経験した薬の2倍以上の効果で襲ってくるというのである。
 そんな地獄に自ら進んで足を踏み入れようとする女子生徒などいるはずもない。
 とは言え、このまま誰も立候補しないまま募集期間を過ごしてしまえば、9人もの犠牲者が、この新薬の餌食になってしまう。
 そんな、深く苦しい葛藤が女子生徒たちの間に渦巻いていた。

 そして、募集期間終了間際である2日目の昼休み……、生徒会長である三条院結衣香が、自らこの新薬のモニター被検者に立候補したのだった。
 


 新薬のモニター被検者募集期間が終了してから3日目の朝、登校した結衣香を、担任の桐坂理沙が白衣を着た女性研究員とともに出迎えた。
 そして、理沙は登校してきたばかりの結衣香に向かって、

「きょうはこれから、聖女学園付属研究所で開発中の新型媚薬『神経鋭敏系 掻痒媚薬W β-3型』の臨床試験を行います。
 三条院結衣香さん、すみやかに臨床試験の準備をしなさい」

 と告げたのだった。
 その言葉に、唇を噛みしめながら理沙をにらみつける結衣香。
 とは言え、自らモニター被検者として立候補したのは自分自身である。
 たとえそれが、他の女子生徒たちをこの悪魔の薬から守るためにやむを得ず名乗り出た結果であろうとも、被検者に立候補したという事実は変わらない。
 そのため、朝登校するなり突然、臨床試験を開始すると言われても、それに否を言うことはできない。
 確かに募集要項には実施時期について、「募集期間終了後1週間以内」とのみ記されており、さらに「被検者への事前告知なし」とされていたのだから、臨床試験の日がいつ訪れてもおかしくはないのである。
 実際、きょう登校してくるまで、結衣香はこの日が臨床試験の日であることを知らされずにいた。
 それでも、狼狽することなく静かに理沙の言葉にうなずいたのは、三条院結衣香の持ち前の気丈さと覚悟のあらわれであった。

 登校してきた生徒たちが全員通りかかる中央廊下の真ん中で、担任教師の理沙と数人の女性研究員を前にしながら、結衣香はセーラー服とスカートを脱いでいった。
 理沙に命じられての脱衣であるが、臨床試験の実施方法として、「被検者は全裸になること」そして「柱に両手両脚を拘束すること」が明記されていたのだから、当然の成り行きである。
 とは言え、普段は生徒会特権を利用してスカートめくりすらさせないガードを誇る結衣香が、廊下の真ん中で制服を脱ぐ――ストリップをするというのだから、注目を浴びない訳がない。
 時間も登校時間の真っ最中であり、全生徒が通過する中央廊下で、即席のストリップショーが行われているという状況に、登校してきたばかりの男子生徒たちが、結衣香や理沙たちを取り囲むようにして、その様子を見ているのは当然であろう。

 表情を殺し、少なくとも表向きは淡々と事務的に制服を脱いでいく結衣香に対して、男子生徒たちは、からかいの声を掛けながらはやし立てる。

「おぉ、久しぶりの結衣香ちゃんのストリップショーだ!」

「まるで恥ずかしがっていることを隠すように無表情を装って制服を脱いでいるみたいだけど、できるだけ身体を曲げたり、脚を開いたりしないようにして脱いでいるのは、やっぱり内心で恥ずかしいところをできるだけ見せないようにしよう……って気にしているんだよなぁ」

「あはっ、さすがは結衣香先輩、全裸になったっていうのに、胸もアソコも隠さずに堂々と立っているよ。
 もしかして、羞恥心を隠しているつもりなんですか?」

「そう言えば、結衣香ちゃん、数日前に募集されていた『新薬のモニター被検者』に応募したんだよなぁ。
 まさか、あの内容の被検者募集に応募する女子がいるとは思わなかったよ。
 結衣香ちゃんは、あんなことを自分から進んで楽しむ趣味があったんだね♪」

「……………………」

 口々に浴びせかけられる男子生徒たちの嘲笑を無言で受け流し、すべての制服を脱いで全裸となった結衣香が、理沙と研究員たちの前にその裸身を晒した。

「フフフ……、案外素直に制服を脱いだわね。
 その上で、これだけの男子たちを前にして身体を隠そうともしないなんて、大したものだわ。
 さすがは、生徒会長と言ったところかしら……ね」

「……………………」

 理沙は、目の前に気をつけをして立っている結衣香の裸体を見つめながら、目を細めて笑みを浮かべる。
 結衣香は、理沙の言葉に返事を返すこともなく、視線をそらしながら相対していた。

「そうね……、せっかく結衣香さんが久しぶりにみんなの前で裸になってくれたんですから、その身体をみんなにしっかり見てもらいましょうか。
 結衣香さん、男子たちの輪の真ん中に立って、両手を頭の後ろで組みながら両脚を広げた格好で、ゆっくり一回りしてあげなさい。
 あなたのオッパイもお尻も、毛が彩っている割れ目も、みんなによく見てもらいましょうよ」

「なっ、なんでそんなことっ……」

 理沙の突然の提案に、反抗しようとする結衣香。
 しかし、理沙はそんな結衣香の反応に一層目を細める。

「あら、あなたこの臨床試験の『実施方法』を覚えていないのかしら?
 薬を塗ったあなたの反応は、機械によるモニタリングだけではなく、『研究員、教職員、そして生徒による目視観察』によっても、効果を確認することになっているのよ。
 つまり、ここにいる男子のみんなは、薬の効果を確認するための観察調査員でもある……という訳。
 正確な臨床試験を実施するためには、まだ薬を塗っていないあなたの身体の状態をしっかりと観察して、薬を塗る前と塗った後の状態の変化や反応の仕方なんかを確認することが必要でしょう?
 だったらまず、あなたの裸の身体をじっくりと観察してもらわなくてはいけないのではなくて?
 それに、あなたは自ら立候補してこのモニター被検者になったのですから、しっかりとこちらの言うことを聞いてもらわないとダメよ」

 自ら被検者に立候補したという負い目を持つ結衣香は、その理沙のこじつけのような言い分に首肯することしかできなかった。

 理沙に促される形で、男子生徒たちの輪の真ん中に立った結衣香は、そのまま両手を頭の後ろで組み、そして両脚を肩幅に開いて女の子として決して男子なんかには見られたくない部分のすべてを晒した格好になった。
 そして、ゆっくりと一回転して、周りを取り囲む男子生徒たちに満遍なくその裸体を晒しものにしたのだった。

「おぉ、久しぶりに生徒会長のオールヌード姿が見れた!
 お毛毛の奥に見える割れ目までバッチリ丸見えだ」

「結衣香ちゃん、しっかり胸を張って、そのオッパイをもっとよく見せてよ」

「結衣香先輩、こんなにたくさんの男子を前に素っ裸になって、女の子のエッチなところを全部晒して、恥ずかしくないんですか?
 あ、でも先輩、立候補してこのモニター被検者になったんですよね。
 それじゃぁ、裸の身体を見られたかったんですね♪」

 口々に裸で立つ結衣香を辱める言葉が投げかけられる。
 さらには、

「先生、結衣香先輩のオマンコの状態をよく確認しておきたいので、股の下にもぐって見上げてもいいですか?」

 という要望まで出してきたのだった。
 その発言をした後輩の男子生徒をにらみつける結衣香。
 しかし、理沙は気軽に返事を返したのだった。

「えぇ、もちろんいいわよ。
 あなた方には観察調査員として、被検者である結衣香さんの身体の状態を正確に観察する権利があるんですから。
 あぁ、でも臨床試験の正確性を期するために、今やっている事前観察とこれから始まる臨床試験の間は、結衣香さんの身体に触れることは禁止します。
 臨床試験中の被検者への接触は、研究員の方にお願いするようにしてください。
 でも、結衣香さんの身体に触れない限り、どこをどんなふうに観察しても構いません。
 ほらっ、結衣香さん、男子のみんながあなたのオマンコを股下から覗きやすくするために、もっと脚を広げて、腰を落としてあげなさい。
 結衣香さんのオマンコをじっくり確認しておきたい男子は、結衣香さんの両脚の間に仰向けになって、観察してごらんなさい♪」

「……くっ…………」

 結衣香は、理沙のその言葉に唇を噛みしめ表情をゆがめたが、ゆっくりと両脚をさらに広げて、両手を頭の後ろで組んだまま、がに股になりながら中腰の姿勢をとったのだった。
 それは、いつもの凛然とした結衣香の姿からはほど遠い、みっともない姿である。
 全裸で、そんなみっともない格好になった結衣香の脚の間に頭を入れるようにして、代わる代わる仰向けに横たわった男子生徒たちは、至近距離から結衣香のオマンコを見上げて、その女の子の秘部の造詣を堪能していくのだった。


 その後、結衣香は、廊下の真ん中に臨時で設置された太さ30センチほどの丸太の柱を背中に抱えるようにして、両手と両脚を、その柱の裏側に回した格好で縛りつけられていった。
 両手首とそして両足首をそれぞれ重ねて縛られた縄は、柱の裏側に設けられたフックに引っかけられ、体重を両手と両脚で支えられるようにして、宙に浮いた格好で柱に 括りつけられた結衣香は、理沙と女性研究員たち、そして周りを取り囲む男子生徒たちの前に、改めて身体のすべてを晒すことになった。
 両足首を柱の後ろ側に回されてひとまとめに縛られてしまっているために、股を開いた格好で磔になる格好を余儀なくされている。
 おまけに、両腕も後ろに回されて戒められているために、身体を前方に突き出すような格好にならざるを得ない。
 つまり、結衣香が最も秘したいと思う股間が、嫌でも注目を浴びるような姿を強いられているのである。
 しかも脚の力を抜いてしまうと全身が下方に落ちてしまい、自然と両脚が開いて、さらに股間が露になってしまうため、常に脚と腕に力を込めて身体を上方に持ち上げておかなければ、どこまでもみっともない姿を晒してしまうことになる。
 そうして、あられもない格好で柱を背中に抱えさせられた結衣香は、研究員たちの手によって全身の至るところに身体の反応をモニタリングするための電極パッドを貼りつけられていった。
 特に、股間からお尻にかけての部分には多数の電極パッドが貼りつけられ、局部の反応を詳細にモニタリングできるようにされた。
 その電極パッドから延びたコードは、柱の裏側に設置されたモニタ装置に接続され、結衣香の身体の状態がどのようになっているのか、リアルタイムに検出し確認できるようになっている。
 そんな格好で無防備な身体を柱に括りつけられてしまった結衣香であるが、これはまだ始まりですらない。

 裸で裸体を、特に股間を晒しものにするような格好で柱磔にされた結衣香の股間に、手袋をした研究員たちが薬瓶から取り出したクリームを、計量しながら結衣香の股間に塗りつけていった。
 それぞれの場所に、配分通りの量を的確に塗りつけていっては、メモを取っていく。
 新薬クリームは、大陰唇に塗られた後、割れ目を開いて、小陰唇、尿道周り、膣前庭、膣口、蟻の門渡り、肛門周り塗られ、さらに新たな薬瓶から取り出 した新薬クリームを、クリトリス、膣孔内部、肛門内部に、二重三重に塗りつけていき、粘膜の隅々にまで、襞の一枚一枚にまで染み込ませるように、丹念に塗られ ていった。
 ストップウォッチで測りながら、塗りはじめからちょうど1分ですべての新薬クリームを塗り終えた女性研究員たちは、一歩離れて、結衣香の様子を観察し始めたのだった。

 そうして、研究員たちが結衣香から離れたところで理沙が、50センチほどの糸にぶら下げられた小さなローターを手にして結衣香に近づいていった。

「結衣香さん、この糸を口に咥えていなさい。
 絶対に口から落としてはダメよ。
 これが、あなたにとって最後の希望……命綱になるんですから……ね♪」

 理沙が妖しい笑みを浮かべながら、糸の一端を結衣香の口元に持っていき、結衣香に咥えさせた。
 結衣香の口からぶら下げられたローターは、ちょうど結衣香の股間あたりでバイブレーションしながらフラフラと揺れている。
 このローターを使って結衣香を辱めようとしている意図そのものは理解していた結衣香だったが、そのローターが持つ本当の意味には、まだ気がついていないのだった。

 新型媚薬が効用を発揮するまでの時間は、塗布後1分以内とされていた。
 すなわち、1分かけて薬を塗り終えたときには、はじめに塗った薬がもう効果をあらわし始めているということだった。

(くっ……も、もう……あ、あつくなって………………)

 研究員たちが離れてすぐ、結衣香は、身体の異常に――股間の異常に気がついていた。
 はじめに塗られた割れ目の表面が、急に熱を帯び、そしてわずかな空気の流れすらも感じられるほど敏感になっていったのである。
 そして…………

(……か、かゆいっ!!!)

 突如、結衣香の股間に襲い掛かってきた感覚は、猛烈な痒みであった。
 この新型媚薬は、掻痒作用に重点を置いたタイプの媚薬である。
 神経を過敏にし、性感を疼かせることに加えて、著しい痒みを催させることによって、女体を苛む媚薬なのだった。

 そして、股間全体に広がった痒みとジクジクするような感覚が、次の瞬間には最も避けたい部分を急襲した。
 最後に塗り込まれた、クリトリスと膣穴内部、そして肛門内部にも、新薬の効用があらわれたのである。
 それから、1分もしないうちに、結衣香は身体の震えを止めることができなくなっていた。
 股間全体に広がった痒みと共鳴するように結衣香の敏感な性感が痺れ出し、特に大量の媚薬を塗り込まれたクリトリスと膣襞、直腸が耐え難いほどの痒みを訴えはじめたのである。
 そしてそれと同時に、過敏になった粘膜が、わずかな身体の動き、空気の動きに反応して疼き出し、際限なく性感を高めていったのだった。

「あら、どうしたのかしら? 結衣香さん。
 もう身体が震え始めているわよ。
 それに、このネットリとしたお汁……。
 次から次へとあふれ出てきて、まるでお漏らししているみたいね。
 まだ、臨床試験開始から1分しかたっていないわよ。
 少しは我慢したらどうなの?」

 理沙が指摘したとおり、股間の疼きに呼応するように、結衣香の蜜穴の奥から、大量の愛液があふれ出てきて、股間と内もも、そして柱をぬめり濡らしているのだった。

(……あっ……く……こ、こんな…………こんな……の…………あ、あり得……ない……っっっ!!!
 こ、これまでの……く、薬とは…………違い……過ぎるっ!)

 結衣香は、心の中で絶望を感じていた。
 この新薬は、これまで経験させられてきた幾多の媚薬とは、まるで別物であった。
 まだ、この臨床試験が始まってから、わずか数分すらたっていない。
 それなのに、もう既に身体は限界を迎えていた……いや、限界を越えてしまっていた。
 少なくとも、この臨床試験は12時間を基本としており、状況に応じて延長もあり得ると、募集要項には記されていた。
 にもかかわらず、学園の女子生徒の中でも固い精神と強い忍耐力を持っていると言われる結衣香が、わずか数分もたたずに耐えられなくなってしまったのである。

(……ぁ……あぁぁっっっ、こ、股間がっ……ク、クリがっ、中がっ、お尻がっ!
 かっ……かゆいっ!!
 かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆい、かゆいっ!
 あ、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あついっ!
 ど……どうにかっ……し……ない…………とっ…………あぁぁぁっっっっ!!!!!)

 両手両脚を封じられ、一切の自由を奪われてしまっている結衣香には、身体に――特に股間に襲い掛かる、これまで経験したことのないほどの痒みと疼きを発散させるどころか、わずかに鎮める術すらない。
 そしてその様子は、結衣香の全身に貼り付けられた電極パッドを通してデータを送られているモニタ装置に、克明に記録されていた。
 モニタ装置には、いくつかのグラフがリアルタイムに表示されており、膣、尿道、クリトリス、肛門といった部位について、感覚の鋭敏度合や快感度合、そして掻痒度合を数値化して示しているのである。
 そのモニタが示すデータによれば、既に結衣香のクリトリスや膣、肛門は我慢の限界を遥かに超える感度と快感、そして掻痒感にさいなまれていることは明確であった。
 にもかかわらず、その官能の嵐に対処する手段が何ひとつ結衣香にはない。
 脚を閉じることでもできれば、まだわずかながら股間に刺激を与えることもできたかもしれないが、柱を背中側で挟み込むようにしてがに股を強いられている結衣香は、股を開くことはできても閉じることは不可能である。
 ただひとつ……結衣香が刺激を得られるものと言えば、背中に抱え込んだ柱であるが、棒のような細い柱であればお尻の割れ目に食い込ませて疼き狂っている 肛門に擦りつけるようにして刺激を得ることもできたかもしれないが、丸太のように太い柱ではお尻に食い込ませることもできず、たとえお尻を押し当てても尻 たぶに面で当たるばかりで、本当に欲しいところに刺激を与えることができない。
 両脚を後ろに回して背を反らした格好をとらされているために、肛門がお尻の割れ目の奥に隠れてしまっていることも、思うように刺激を得ることができない一因となっていた。
 そんな、あらゆる道を閉ざされ、耐えることもできなくなった状況で、結衣香の意識は、既に限界を迎えてショート寸前になっていた。

 ……そんなとき……

(……ぁああああああっっっっっっ!!!!!!!!!)

 突如、結衣香は視界を稲妻が駆け抜けたように感じた。
 股間に――最も敏感な突起であるクリトリスに、わずかにかすかな刺激を感じ、それが全身を貫くような電撃となって駆け抜けて、焼き切れそうになっていた意識をつなぎとめたのである。
 それは、理沙が結衣香に咥えさせた糸にぶら下がって振動しているローターが、クリトリスに触れて弾けた刺激であった。

 そのロータとの接触は、一切自由にならない身体で、一切の刺激を受けることもできない状態で、耐え難い痒みと疼きに苛まれた身体に与えられる、わずかではあるが、唯一の刺激となった。
 糸に吊るされただけのローターという、あまりに微弱過ぎる刺激しか得られないものではあるが、何ひとつ身体の痒みと疼きに対処する術のない結衣香にとって唯一得られる刺激であり、身体の芯が求める欲求に応えられる唯一の手段であった。

 しかし、それは結衣香にとって、とてつもない苦悩と恥辱を強いるものでもある。
 口から糸で吊り下げられただけのローターに股間を当てるためには、股間を前に思いっきり突き出して、自ら秘所を晒しものにするようなみっともない格好をしなければならない。
 しかも、そこまでしても刺激が得られるのは、わずかに割れ目の周辺とその中で硬く充血して勃起したクリトリスのみである。
 クリトリスは、新薬をたっぷりと塗りつけられて最も鋭敏になり、強烈な痒みと疼きを生み出している源泉のひとつではあるが、今、結衣香の身体を蝕んでいる淫らな源泉は、クリトリスだけではなく、膣穴や肛門、そして股間の粘膜全体に広がっている。
 にもかかわらず、このぶら下げられたローターで得られる刺激は、わずか一点に過ぎない。
 どうやったところで、膣や肛門にそのローターをあてがい刺激を与えて、そこの痒みを鎮めることはできないのだ。
 それに加えて、口から糸でぶら下げられただけのローターは、結衣香の股間あたりでフラフラと揺れ動き、なかなか的確なポイントにあてがうことができない。
 そして仮に、望むポイントにローターが当たったとしても、振動しているローターは、そこに当たった反動で空中に跳ね上がってしまい、一瞬の刺激を残して離れてしま う、ヒット・アンド・アウェイを繰り返すのみで、弾けてしまったローターは、わずかな刺激の代償にさらなる疼きをその場所に打ち込んでいってしまうである。
 そんな、もどかしくももろ刃の剣のような刺激ではあるが、今、結衣香の身体に襲い掛かっている耐え難い痒みと疼きに対抗し、心をつなぎとめることができるのは、このローターの刺激だけなのであった。
 たとえ、それが余計に身体を疼かせることになる刺激であることをわかってはいても、結衣香は、そのローターのわずかな刺激を得ることを止めることができないのだった。

「あらあら、結衣香さん、随分浅ましい自慰をしているじゃない?
 ぶら下げたローターを狙ってクリトリスを突き出してオナニーするなんて……、聖女学園の女子生徒……それも生徒会長を務めるほどのあなたがするには、みっともなさ過ぎる姿とは思わないのかしら?」

「……くっ……んっ………………ん………………」

 結衣香は、蔑みの言葉を投げかける理沙をわずかににらみつけるものの、限界を超えた身体に、なけなしの刺激を与える行為を止めることができないでいた。
 聖女学園の女子生徒の中でも一二を争うほどの強い心を持っている結衣香でさえも、わずか数分で人目もはばかることなく無様なオナニー姿を晒してしまうことをやめられないほど、この新薬の効果は絶大であった。
 しかしどんなに頑張っても、わずか一瞬、さらなる官能を呼び起こすようなかすかな刺激をクリトリスに与えることしかできず、膣や肛門の痒みと疼きをさらに強め るような自虐的な刺激しか、結衣香は得ることができない。
 とは言え、それが今の結衣香に残された……そして、これからの長く果てしない臨床試験に立ち向かうために残された唯一の道なのだった。
 まさに、この糸吊ローターは理沙が言ったとおり、結衣香にとっての「命綱」となったのである。

 結衣香に薬が塗布されたから、まだわずか5分しかたっていない。
 それにもかかわらず、既に結衣香は全身を汗だくにし、股間からはまるで滝のような粘つく愛液を垂れ流し、全身を激しく揺すって痙攣させる……という、既に媚薬漬けで一晩放置された後のような状態となっていた。

「フフフ……、どうやら私が言った『このローターが最後の希望になる』ということの意味がわかったみたいね。
 でも結衣香さん、まだ臨床試験は始まったばかりよ?
 いまからそんな状態じゃぁ、これからの11時間55分、もたないのではなくて?
 ほらっ、聞いているのかしら? 結衣香さん」

 必死にローターの振り子の動きに合わせて腰を突き出そうともがいている結衣香の姿に、呆れるような顔をした理沙は、ちょっと笑みを浮かべた後、結衣香にとって信じられない……そして絶望を味わわせるに足る行動に出た。
 理沙は、結衣香の口に咥えられてローターがぶら下がっている糸を、ひょいっと摘まみ上げて、ローターを宙に浮かせてしまったのである。

「んっ!!! ……ぎっ…………ぐっ……………………!!!!!」

 理沙の指に糸を摘み上げられたローターは、結衣香の目の前で揺れるだけで、もはや絶対に結衣香の股間には届かない位置に吊り上げられてしまった。
 そのローターを、そしてそれを摘み上げている理沙を、目を見開き、信じられないという目で見据える結衣香。
 信じられない狼藉を働く理沙に、文句の言葉を発しようとするが、ローターをぶら下げた糸――命綱を咥えているため口を開くことができず、呻くような声しか出すことはできない。
 そんな、普段の結衣香からは想像もできない恥態を晒している様子を、理沙は笑顔で見つめている。
 ローターの刺激を取り上げられてから数秒後……途端に、これまでわずかながらも刺激を与えることで辛うじて均衡を保っていた股間の痒みが、結衣香の身体の中心でこれまでにない勢いで膨れ上がった。
 これまでギリギリのところで踏みとどまっていた結衣香の身体は一瞬にして限界を迎え、まるで背中に抱える柱を折ってしまうかのような激しさで、暴れはじめたのだった。

「……ぐっ……んっ…………ぎっ………………ぐっ…………」

 結衣香は、必死に糸を挟んだ歯を噛みしめながら、声にならない呻きを漏らして、全身を身悶えさせていた。

「あらあら、これがあの生徒会長として男子にも恐れられている三条院結衣香さんの姿なのかしら?
 こんな小さなロータの刺激を求めて、浅ましく腰を振り立てて……。
 そんなにこのローターを股間に当てたいのかしら?」

 理沙は、そう言いながらゆっくりと摘まんだ糸を下ろしていき、ローターが結衣香の股間に触れるわずか手前のところまで下ろした。
 しかし、それは結衣香が必死に腰を突き上げてもローターに触れるまで、わずか1ミリ足りないという絶妙の位置だった。
 まるで気が狂いそうな勢いで股間を突き上げる結衣香だが、決してローターに敏感な突起が触れることはない。

「あらあら、まるで餌に飛びつこうとして跳ね上がる鯉のようね。
 でも、これは餌じゃなくていやらしい刺激を与えるローターで、飛びつこうと跳ねているのは、結衣香さんのクリトリスなんですけど……ね♪
 ほらっ、あと少しで届くわよ。
 あと1ミリ。
 もう少しクリトリスを大きく勃起させれば届くかもしれないわよ♪」

 理沙は、まるでローターを餌に見立てたクリトリス釣りを楽しむように、摘まみ上げた糸を絶妙なタイミングで上下させて、結衣香の股間が届きそうで届かない高さに、ローターをぶら下げるのだった。
 そんなローターを求めて股間を、クリトリスを何度も跳ね上げさせる結衣香の姿に、もはや生徒会長としての面影は残っていない。
 それほどまでに、この新型媚薬の効果は絶大なのだった。

 必死に股間を持ち上げてローターの刺激を求める結衣香。
 しかし、あと一歩……わずか1ミリ足りない。
 決して届くことのない1ミリの距離を求めて、必死の腰振りに挑んでいく結衣香だが、決してその距離を詰めることはできない。
 とは言え、わずか1ミリのみ離れて震えているローターの振動は、ある瞬間、通常の何倍にも過敏になったクリトリスの鋭敏な神経に、空気の振動としてかすかな刺激を伝えたのだった。
 限界を越えて蓄積された性感の渦は、そのわずかなそよ風にも満たない空気の震えによって、一気に弾け飛んだのだった。

「……んぁぁああぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!!!」

 柱を両手両脚で背中に抱え込みながら、ギリギリまで腰を突出し股間を突き上げるというみっともない姿を晒しながら、結衣香はローターに触れることなく、わずかな空気の振動をクリトリスに受けるという刺激によって、無様極まりない絶頂を迎えたのだった。
 ローターを摘まみ上げながら結衣香の前方に立っていた理沙は、結衣香が吹き上げた潮を正面から浴びせかけられて、顔からお腹にかけて潮まみれに濡れていた。
 それと同時に、結衣香の全身をモニタリングしている電極パッドから送られたデータを処理しているモニター装置が、結衣香の絶頂を検知して、その瞬間の身体データを詳細に記録していったのだった。


 そのまま意識を失いかけている結衣香に向かって、理沙は優しげな口調でささやいた。

「結衣香さん、あなたローターに触れなくても逝けるのね。
 おまけに、こんなに盛大に潮まで吹いて……。
 だったら、今の絶叫で口から落ちちゃったこのローターは、もういらないかしら……ね?
 このローターは、そこにいる男子に預けておくわ。
 もし、またこのローターがほしくなったら、男子に頼んで貸してもらいなさい」
 
「……そ……ん、な…………か、かえし……て…………が、我慢……で、でき…………」

 結衣香の唯一の希望である命綱が男子生徒の手に落ち、そして結衣香の心が絶望に満たされた瞬間だった。



   ・
   ・
   ・

《5分後》
「エヘヘッ、結衣香ちゃん、このローターをクリトリスに触れさせてほしいの?
 だったら、スカートめくりをしようとしたときに投げ飛ばしたことを、誠意をもって謝罪してくれる?」

   ・
   ・
   ・

《1時間後》
「結衣香先輩、このローターを吊っている糸を摘まみ上げている僕の手を離してほしいんだったら、このビーカーを先輩の愛液で満たしてくださいよ。
 そのビーカーに溜めた愛液を飲み干してくれたら、またこのローターを咥えさせてあげますから♪
 あ、でも休み時間の間にお願いしますね。
 もし、休み時間が終わってもまだビーカーが先輩の愛液で溢れていなかったら、このローターの方を先輩の口に咥えさせることにしますからね。
 ちょうどぶら下がった糸の先が、先輩のクリトリスに触れるでしょうから、その糸で我慢してください。
 あ、でも糸が触れるだけだと、余計にくすぐったく感じちゃうかな?
 まぁ、じっくり時間をかけてゆっくり慎重に口で糸を手繰り寄せれば、またローターをぶら下げた状態で糸を咥えることができますよ♪」

   ・
   ・
   ・

《3時間後》
「あれ、結衣香ちゃんこれまでにも増して腰を揺すっているね。
 ……あぁ、口に咥えてぶら下げていたローターを落としちゃったんだぁ。
 え? 落ちたローターを拾ってほしい……って?
 ゴメンね、結衣香ちゃん。
 僕ちょっと忙しくて、結衣香ちゃんの頼みを聞いている暇がないんだ。
 ……え、嘘じゃないよ、本当に急いでいるんだよ。
 本当だったら、こんなふうに廊下に立ち止って、結衣香ちゃんの様子を観察している暇なんてないんだから。
 うっわぁ〜、結衣香ちゃんのクリトリス、真っ赤に充血してビンビンに勃起しているじゃない。
 しかも、まるで脈打っているみたいに震えている。
 こりゃぁ、相当敏感になっているね。
 おまけに……この感度モニターを見ると、クリトリスの痒みは群を抜いて大きくなっている。
 これは、何の刺激もない状態だと我慢できないよね。
 ……うわっ、弾け跳んだ結衣香ちゃんの愛液が、顔にかかったよ。
 すごいね、愛液がまるで糊みたいに粘ついてこんなに糸を引いちゃっている。
 え、ローター?
 だから、何度も言っているじゃない、僕は忙しいから結衣香ちゃんが落としたローターを拾ってあげる暇はないんだよ。
 それに、臨床試験中は結衣香ちゃんの身体に触ることも禁止されているから、結衣香ちゃんがどんなにお願いしても、結衣香ちゃんの身体の痒みや疼きを鎮めてあげることはできないんだ♪
 でも、せっかくだからこの熱く火照っているクリトリスを冷ましてあげるよ。
 ……フーーーーーッ…………
 うわっ!
 えっ、もしかして今の息吹きで逝っちゃったの?
 それも、こんなに激しく潮を吹き上げて?!
 ……見てよ結衣香ちゃん、僕の全身が、結衣香ちゃんの潮まみれになっちゃったよ。
 これは、急ぎの用事を済ませる前に、一旦教室に戻って着替えないとダメかな。
 それじゃぁ、一度教室に戻ってから急ぎの用事に取り掛かることにするよ。
 忙しくて、ローターを拾ってあげる暇がなくてゴメンね、結衣香ちゃん♪」

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《6時間後》
「三条院結衣香さん、新薬の正確なデータ取得のために、今から30分間、あなたの股間部への刺激を一切なくします。
 このぶら下げられたローターの刺激も、データ取得のノイズとなりますので、ローターは一時接収させていただきます。
 なお、この間に漏出した愛液は成分分析のためのサンプルとして用いますので、不純物が混ざらないよう、今から30分の間、絶頂を控えてください。
 特に潮吹きや放尿等により不純物を混入させた場合には、再度サンプル採取のためのデータ取得として30分の無刺激時間延長とさせていただきます。
 先ほどから、薬の効用で神経が鋭敏化されているためか、空腰による空気の刺激だけでも絶頂を迎えるほどになっているようですので、くれぐれも注意してください。
 ……聞こえていますか? 三条院結衣香さん?」

《6時間13分後》
「ただいま被検者の絶頂と潮吹きを確認いたしました。
 成分分析に用いる愛液サンプルに不純物が混入してしまいましたので、改めて無刺激時間を30分間延長します。
 結衣香さん、腰を振るのは構いませんが、臨床試験に支障を来しますので、しばらく絶頂は控えてください。
 今から30分たちましたら、このローターはお返ししますので、それまでは気持ちを落ち着けるようお願いします」

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《10時間後》
「アハハッ、すごいなぁ。
 あの結衣香ちゃんが、もう10時間もずっとあんなみっともない腰振りダンスを続けているんだぞ。
 おまけにオシッコもウンチも垂れ流し状態で……。
 もしかして、まだ薬の効果が切れていないのかな?
 確か、持続時間は8時間以上……ってなっていたけど、実際には10時間以上もっているみたいだな。
 それにしても……これが、先週俺たちが下級生の女子と『楽しく遊んで』いるときに平手打ちしてきた凛々しい生徒会長の姿とは思えないな♪」

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 男子生徒たちは、授業の合間の休み時間に、そしてときには授業時間中に授業を抜け出して、廊下の柱で磔になって気も狂わんばかりに身悶え、口からぶら下 げたローターのわずかな刺激を求めて浅ましく腰を振り立てては刺激の物足りなさに嘆き、余計に激しく腰を振り立てるという醜態を晒している結衣香の様子を 見に行った。
 そして、もはやひとときも耐えられない疼きと痒みに苦悶する結衣香にからかいの声を浴びせかけては、普段の気丈な結衣香からは想像もできないような嬌態にいやらしい笑いと、そして意地の悪いいたずらを仕掛けて遊ぶのだった。
 しかし、それがたとえどれほど理不尽で、意地が悪く、悪意に満ちたいたずらであろうとも、ローターのわずかな刺激ひとつで細く引き絞られた一本の細い糸 の上を綱渡りしているようなギリギリの状態で辛うじて耐え忍んでいる結衣香にとっては、その糸を手繰り寄せるために、そのいたずらに必死に耐えなければな らないのである。
 男子生徒にしてみれば、結衣香が咥えてぶら下げているローターを吊る糸を、ヒョイッと摘まみ上げるだけで、あの生徒会長特権を振りかざしていつも男子生 徒たちをやり込めている結衣香を、思いのままに言いなりにすることができるのだから、これほど楽で面白く、そして滑稽なことはない。
 以前、男子生徒が女子生徒をからかって遊んでいたときに結衣香に注意されたことを「結衣香に謝罪させ」たり、スカートめくりの邪魔をされただけではなく 反撃までもされたことを根に持っていた男子生徒が「今後スカートめくりの邪魔をしないこと」を結衣香に約束させたり、突き上げた股間をクネクネと字の形に 動かしていく尻文字ならぬ「オマンコ文字」を空中に描かせたり……。
 ありとあらゆる恥辱を、結衣香はその身で受け止めていった。
 男子生徒の言うことを聞かなければ、唯一のよりどころであり命綱でもあるローターを取り上げられてしまうのだから、結衣香に拒否権はないのだった。
 それは、普段、生徒会長特権による拒否権を駆使している結衣香にとって、あまりにも皮肉な仕打ちであった。



 臨床試験開始から12時間後の午後8時……、いまだ校舎に残っている男子生徒や教職員、研究員を前にして、結衣香は意識を失いながらも全身を激しく震えさせながら、空腰を振って悶えるというみっともない姿を晒していた。
 それは、いつもの凛とした生徒会長の結衣香の姿を垣間見ることもできないほどに浅ましい醜態と言ってもいい有様であった。
 意識を失っている結衣香は、媚薬の効用の残滓によっていまだ腰を振り痙攣を繰り返しているが、身体は完全に脱力仕切っており、もはや身体を支えることもできずにいた。
 とは言え、太い丸太のような柱を背中に抱え込むようにして手首と足首を重ねて縛られ、柱の裏側に括りつけられているため、結衣香の身体が床に落ちるということはない。
 しかし、逆に言えば手首と足首だけを吊り上げられた格好で空中磔にされているようなものであるため、全身が下方にずり落ち、それによって力なく落ちた腰をぶら下げるように、股関節が限界まで割り開かれた格好になっているのである。
 それは、180度開脚を越えた200度開脚とも言うべき格好であり、女の子が人目から、そしてあらゆるいやらしい狼藉から最も守らなければならない女性器を、最大限に無防備にさらけ出すようなみっともない姿であった。
 そして最大まで開かれた割れ目の奥から、いまだ次から次へと大量の愛液が流れ出ており、結衣香の蜜壺と廊下の床との間に、太く粘りつくような架け橋がつながっていた。
 結衣香が磔にされている柱の根元には、おびただしい量の愛液や潮の粘液だまりが広がり、その中に、いまだ振動し続けているローターが転がっている。
 そしてそんな粘液だまりに混ざるようにして、垂れ流されたオシッコの跡や、ひり出されたウンチの塊が残っていた。
 それらの排泄物が新薬の副作用である筋弛緩作用によってもたらされた結果か、単に脱力して垂れ流された結果か、それとも絶頂で身体が強張り息んだ拍子ひり出された結果か……ということについては、常時観察していた研究員にも判断がつかないとのことだった。

 そんな身も世もないほどの有様となっている結衣香の様子を見ながら、相談を始める理沙と女性研究員たち。
 5分ほどの話し合いを終え、理沙は結衣香の方に歩み寄っていった。

「結衣香さん、目を覚ましなさい!
 今は、臨床試験中ですよ。
 何、眠っているんですか!」

「………………ぅ…………」

 理沙の声によって、うっすらと意識を取り戻した結衣香だったが、まだ完全な覚醒には及んでいない。
 しかし、そんな結衣香に構うことなく、理沙は言葉を続けた。

「今、研究員の皆さんと相談をしました。
 この12時間の臨床試験において、あなたが意識を失っていた時間は、合計3時間8分21秒もあったとのことです。
 その結果、残念ながら、これでは十分な臨床試験の成果が得られていない可能性が高いという結論に至りました。
 とは言え、十分な刺激がない状態で、この新薬の臨床試験を覚醒状態のまま実施することは困難であるとの意見もありました。
 したがいまして、改めて、今回開発した新薬をあなたの局部に塗布した上で、今度は1時間おきに無刺激状態と有刺激状態を交互に繰り返すように試験方法を変更して、臨床試験を継続延長することといたしました。
  ただし、本来であれば、このまま連続して臨床試験を実施することが望ましいのですが、結衣香さんの体力も限界を超えており、このままの状態で試験を継続し ても、また居眠りを繰り返すであろうことが予想されることから、臨床試験は一時中断とし、翌朝8時までの12時間は休憩とします。
 しかしながら、臨床試験の継続性という観点、および新薬の連続使用に関する参考データの取得を並行して実施しておきたいという研究員の方々の要望もあり ましたので、結衣香さんには、この柱に括りつけられた状態のまま、もう一度局部に新薬を塗布した上で、12時間の休憩に入ってもらうことにしました。
 翌朝8時になったら、改めてもう一度、新薬を塗布してから、今度は無刺激状態と有刺激状態を交互に繰り返すサイクル試験を開始しますので、それまでの間、柱に括りつけられて薬を塗られた状態とはなりますが、十分に休養を取っておくように。
 一応、身体を休めるために柱を傾斜させて手足に負担がかからないようにしておきますので、楽な姿勢でゆっくり休みなさい。
 第2回臨床試験の時間は、無刺激状態の合計を6時間、有刺激状態の合計を6時間とし、第1回臨床試験と同様、合計12時間としますので、第2回臨床試験の完了予定時間は、きょうと同じく20時となります。
 次の臨床試験では、無刺激状態と有刺激状態を1時間ごとに交互に行き来することにより、感覚に変化が与えられるようになるため、居眠りなどせず、臨床試験を完遂できると見込んでいます。
 なお、有刺激状態の形成については、男子生徒たちに協力をお願いしますので、あなたは気にする必要はありません。
 1時間ごとに6回ですから、1回につき各学年の男子生徒10人に参加してもらいます。
 刺激方法は男子生徒に一任することになりますが、きっと男子生徒たちの創意工夫でバリエーション豊かな刺激を与えてもらえると思いますから、今度は飽きて居眠りをするなどということはなくすことができるでしょう。
 もちろん、有刺激時間中は、男子生徒によるあなたの身体への直接接触および間接接触も解禁としますので、普段薄れがちな男子とのスキンシップもしっかり取ることができると思いますよ。
 これを機会に、しっかりと男子と仲良くなれるように、あなたも積極的に男子に協力するように。
 もし、これだけの処置をしても、第2回臨床試験でもあなたが居眠りをして、またしても臨床試験の妨害をするようであれば、あなたには被検者としての資格がなかった……ということで、モニター 被検者募集までさかのぼって立候補者不在と見なし、改めて抽選で各学年から3名の被検者を選んで、第3回臨床試験を実施することにします。
 そうなったら、この2日間の臨床試験が時間の無駄になってしまいますから、そうならないように、しっかりと臨床試験を遂行できるよう、居眠りなんかせずに臨床試験に集中して、いい試験結果を残せるように頑張りなさい。
 ……それでは研究員の皆さん、結衣香さん休憩前の新薬塗布をお願いします。
 あ、そうそう休憩の邪魔になるでしょうから、このローターは預かっておきますね♪
 オナニーなんかにうつつを抜かすことなく、しっかり睡眠をとって体力の回復に努めなさい」

   ・
   ・
   ・

 その夜、朝方近くまで、校舎の廊下に少女の泣き悶える声が響き渡ることとなった。
 そして、翌日、1時間ごとに苦悶のうめき声と激しい嬌声が、繰り返し繰り返し学園じゅうに響き渡り続けたのだった。



 ちなみに、このとき結衣香が受けた臨床試験は、第T相臨床試験と呼ばれるものであり、この臨床試験の1週間後に、第U相臨床試験として、全女子生徒を対象とする新薬臨床試験が計画されているのだが、そのことを知る女子生徒は、結衣香も含めてひとりもいない。
  今回の第T相臨床試験の1週間後に計画されている第U相臨床試験は、被検者の数を増やすため女子生徒全員を対象として行われることが決まっているため、今 回のような被検者の募集は必要ないということで、特に事前に女子生徒たちに知らせる機会も、その必要性もないためである。
 したがって第U相臨床試験は、試験当日、登校後に全員を体育館に集合させた上で、臨床試験を一斉実施する計画となっている。
 この第U相臨床試験で用いられる新薬は、今回の第T相臨床試験の結果を踏まえた上で薬剤濃度を本来の量産濃度にまで高めた非希釈薬剤が使用されることが 予定されており、今回、結衣香が塗布された1次試験用の希釈薬剤と比べると2倍から3倍程度の効用と持続時間を得られることが期待されている。
 この非希釈濃度の媚薬が、本来の開発新薬であり、この濃度まで高めることによって本来の効用を発揮することになっている。
 今回、結衣香に使われた媚薬は濃度を薄めた希釈薬剤であり、その効用は本来の開発新薬の半分以下とされていたのである。
 その非希釈薬剤を用いた第U相臨床試験を実施すべく、現在、女子生徒全員分となる15本の拘束棒を設置する準備とともに、量産濃度の新型媚薬の製造も急ピッチで進められており、着々と準備が整い始めているのだった。

 なお、第U相臨床試験の1か月後には第V相臨床試験も計画されており、その第V相臨床試験では、被検者の対象範囲を女子生徒だけではなく教職員にまで拡大して、グラウンドで実施されることが決定されている。
 しかし、この第V相臨床試験の存在および被検者対象範囲は、当該試験において被検者となる女性教師たちには知らされておらず、そのことを知るのは新薬開発に従事している研究員と生徒会役員の男子生徒、そして学園理事長のみである。
 とは言え、生徒会役員の男子生徒を通じて、この第V相臨床試験の存在と被検者対象範囲については、既に男子生徒全員に知れ渡っているのだった。
 そのため男子生徒たちは、今回行われた第T相臨床試験、そして翌週に行われる第U相臨床試験において、激しく身悶えもがく女子生徒と、そんな女子生徒を 事務的に冷たく無慈悲にいたぶり辱める女性教師たちの1ヶ月後の姿を重ね合わせて想像し、翌月に計画されている女性教師と女子生徒合同で行われる新型媚薬の野外一斉臨床試験の開催を期待して、胸踊らせているのである。
 女子生徒たちに対する女性教師たちの理不尽な言い分や冷たい仕打ち、そして激しい責め方などは、1ヶ月後に、そのまま女子生徒たちと同じ境遇に堕ちた女性教師たち自身の身に、そのまま降りかかってくることになるのだから……。
 女性教師が女子生徒たちに向かって厳しい態度で臨み冷徹で激しい責め立て方をすればするほど、そして、男子生徒たちがそんな女性教師たちの姿を見れば見 るほど、1か月後に同じ仕打ちを受けることになった女性教師たちがどのような反応を見せ、そしてどんな姿を見せてくれるのかということを夢想して、男子生 徒たちは笑みを浮かべながら期待に胸を膨らませるのだった。
 この第V相臨床試験は、非希釈濃度による新薬の持続時間が20時間以上と見込まれていることから、試験時間を朝の10時から翌日の夕方16時までと、2日に跨って30時間連続で行われることが決定されている。
 また、第V相臨床試験については教職員を介在させずに実施させることから、試験方法については研究員と男子の生徒会役員で協議した上で定めることになっており、教職員たちも知らないところで、既に何度か秘密裏に事前協議がなされているのである。
 聖女学園にいるすべての女子生徒、すべての女性教師たちが、グラウンド一面に設置された拘束棒に全裸で股を開いた格好で磔にされ、開脚拘束される情景は、それを目にする男子生徒たちにとって壮観な絶景となることであろう。
 その光景を想像しながら、男子生徒たちは、第V相臨床試験の計画を綿密に練っていくのだった。



原案:soraさん、むりじさん、みゅうさん
文章&イラスト:ロック


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