季節はずれの転校生



 さわやかな風が吹く4月のある日、聖女学園に一人の少女が転入してきた。
 家庭に恵まれず施設で生活していたが、どういう経緯か施設に入学案内が届き、進学を希望していたこの少女が急ではあるが入学する運びとなったのだ。

 美しい校舎を前に、少女は不安げに立ち尽くしていた。
 小柄ながら均整の取れたプロポーション、幼さの残る可愛らしい顔立ち。
 栗色の豊かな髪の毛を2本のみつあみにして、赤い控えめなリボンを結わえている。
 清楚なブラウスに紺色のフレアスカート、少しだけヒールのあるサンダルを履いた彼女の可愛らしさは人目を引く。
 しかしぱっちりとした大きな瞳は、これからの新生活への不安を表すように揺れていた。

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 その数日前、学園の職員室では転入生を迎えるにあたり会議が開かれていた。
 「宮石沙穂(みやいし さほ)」と名の書かれた履歴書のコピーが職員全員の手に渡っている。
 少し見れば、その書類の所見の欄に赤丸がつけられていることに気づくだろう。
 そう、「大変真面目で控えめであることは美点だが、羞恥心が強すぎるように見受けられる」という一文に……。

 この学園に従事する者なら既に知っていることだが、この聖女学園では強すぎる羞恥心が学業の妨げとなることが往々にしてある。
 入学して日が経っても、性器はおろか胸を見られるだけで羞恥に身を焦がし、男子生徒に抵抗するという聖女学園の女生徒としてあるまじき行為を取ってしまうのだ。

 書面を見る限りでは、この転校生沙穂も非常に強い羞恥心を持っていると思われた。
 会議をしている数人の教師から溜め息が漏れる。
「困ったわね…入学早々から激しい抵抗をされると、他の女生徒達に示しがつかないわ」
 ひとりの教師がこぼしたつぶやきの声に皆が頷く。
 数秒後、一人の教師が沈黙をやぶった。
「あの……前例がないことですが……」

 そこで語られた内容は以下の通りである。


 羞恥心の強い少女がごくたまにとはいえ反抗的な態度に出る理由は、ひとえに恥ずかしい姿を男性に見せることに慣れていないからである。
 したがって、今のうちに聖女学園の特性を教え込めば、順応はできないまでも日常生活を送ることはできるようになるのではないか。
 そのため、入学直後から女生徒とは一切接触させないまま、男子生徒に教育を一任してみてはどうだろうか。
 ……というものであった。

 確かに前例のないことで、教師陣はとまどいの表情を見せた。
 しかし他に方法がないと悟ったのだろう。
 教師陣全員の同意を得て、この教育方法が採用される運びとなったのだ。


 方針が決まるや否や、教育内容へと議題は移った。
 ホワイトボードは、少女にとって死よりも辛い羞恥責めの数々で埋め尽くされていった…


●現場監督

 男子生徒に教育を一任するとはいえ、何といっても好奇心旺盛な中学生のことであるから、やはり指揮を執る者がいなくてはまずい。
 通常であれば担任や副担任の教師の指示のもと教育を行うところであるが、今回の指導のコンセプトは「同性のサポートや安心感が一切ない中で羞恥に耐えさえる」というものなので、教師と言えども女性が入っては効果半減である。
 そこで出された案が、男子OBに応援を頼み、総指揮を執らせるというものであった。

 さて、OBの中から誰を選ぶかという問題であるが、これはすんなり決まった。
 ねちっこい言葉責めと視姦で数多くの少女を辱めた実績を持ち、少女の心の中まで恥辱にまみれさせた生徒として代々聖女学園で語り継がれている男がいるのだ。

 現在は某一流企業でトップを走り続ける傍ら、その筋で裏の世界の性産業にも通じているという。
 その性産業というのも明らかにある趣向に基づいたSMショー経営であるというから、今回の教育カリキュラムのまとめ役としては最適であろう。

 急な話ではあったものの、事情を飲み込んだ彼は喜んで役を引き受けた。


●男子生徒への通達

 今回のカリキュラムは主に男子生徒が主役となって進めるものであるから、まず彼らに話を通しておく必要がある。
 といっても特に準備するようなことはなく、ただ下記のことを伝えておけばよい。

・転校生が来るが、彼女は日常生活(注:聖女学園においての日常生活)に支障を来すほどに羞恥心が強いため転入直後の数日である程度は鍛えなければならない。

・そのために、指導期間中は彼女に対して普段以上に視姦や言葉責めを行うことを心がける。

・転入生への指導がメインとなるため通常の授業は行われないが、男子生徒を登校させた上で衆人環視のもと聖女学園の規則を指導し、身体で覚えさせる。


●女子生徒への通達

 この特例措置を実行するにあたり、転入生が女生徒と顔を合わせてしまっては元も子もないので、女子生徒達には転入生が来ることのみ伝え、期間中は学園所有の別荘地にて過ごすこととなる。
 男子生徒は全員校舎に残るため、彼女達は女性教師引率のもと快適な日々を送ることができる。


●期間

 指導期間は5日間とする。


●指導内容

 おぼろげな性知識しかない上に羞恥心が強い少女を教育するためには綿密なプログラムを組む必要がある。
 一日に数個の項目を教育し、最終日には理想的な当学園の女子生徒になることを目指す。


○1日目○

・校則説明
 まずはじめに、当学園のポリシーや校風を教えなくてはならない。
 性的羞恥、屈辱を乗り越えて女性の可愛らしさを学ぶこと、男子生徒には一切逆らわないこと。
 制服や学園の施設についてもこの段階で教育する。


・性教育
 中学3年であるからある程度の知識があることを前提に、女性の身体について詳しく講義を行う。
 なお、講義内容は今後の研修での屈辱感を煽るものとなっているが、生ぬるい内容では沙穂の羞恥心を鍛えることはできないため、あえて恥ずかしさを増すようなものとしている。

 男性と女性の身体つきの違い
 男性は女性の身体のどこを見るか(女性はどこを見られてはいけないか)
 女性の身体の成長について
 性感とは
 絶頂とは


・昼食、トイレ(女生徒用のものではなく来客用の通常トイレ)


・着替え
 昼食後、それまでの私服から聖女学園指定の制服に着替えさせる。
 本来の規定では下着の着用は不可であるが、突然下着を取れといっても無理な話なのでこの段階では着用を認める。
 きちんと着替えてから教室に戻り、教壇の前に立たせる。
 シースルーの上着からうっすらとブラが透け、少しでも動けばスカートのスリットからショーツが覗く。


・胸と性器の披露
 聖女学園の生徒として、恥ずかしい場所は全て男子生徒に見せなければならない。
 この学園内では最初で最後となる下着姿を十分に男子生徒に晒した後、可能であれば自発的に服を脱がせ、難しければ多少強引なやり方でも構わないので羞恥の部分を露出させる。

 午前中に講義を行った女性の身体や性感についての実技をここで行う。
 恥ずかしい部分を全て晒された沙穂に胸や性器の発育具合について沙穂自身に説明させる。
 性体験の有無や感じやすさ等についても説明させるが、沙穂の性格からいってスムーズにできるとは考えにくいため、多少脅してでも嘘をつかせず本当のことを言わせるよう留意する。

 一通り沙穂の口から説明を受けた後、男子生徒全員で沙穂を取り囲み観察、討論、撮影等を行う。
 沙穂の体を傷つけない範囲で、さわり心地や性感等をチェックする。


・夕食、夜間の行動について
 カリキュラムは基本的に16時までとし、その後は寮に帰ってよい。
 常に男性の視線に晒し羞恥心を鍛えるというコンセプトでこの一週間を過ごさせるが、日中の研修で疲れ切っている中、夕方以降も訓練を続けては、鍛えられるのを通り越して羞恥心が麻痺しかねない。
 それでは当学園の女生徒としては困ったことになるため、夕方〜翌朝までは一切の制限を設けないこととする。
 特別にバストイレ付きの個室を与え、食事も男子生徒と一緒ではのどを通らないだろうと配慮から、食事を部屋に運ぶものとする。
 研修終了まで、夜間の規則は基本的に上記に準じるものとする。


○2日目○

・校舎内の行き来
 1日目は廊下や階段の使用について特に制限は設けなかったが、2日目からこの規則を徹底させる。
 使用方法をじっくり説明した後、実行させる。
 1階の廊下、階段、2階の廊下全て性器を大きく露出するため沙穂の抵抗が激しくなると思われるが、根気よく、また羞恥心を煽ることを忘れずに指導を行いたいものである。


・裸エプロン
 昼食時の配膳等を指導する。
 エプロン姿に着替えさせ、普段の聖女学園の給食時間と同じように行動させる。
 配膳について、通常は女生徒5名が行うが、今回他の女子生徒がいないため男子生徒に手助けを依頼する。


・校歌斉唱
 当学園の生徒となるため、きちんと校歌を覚えなくてはならない。
 口先だけで歌っても精神までは届かないので、男子生徒の見守る前で歌詞に沿った行動を取りながら歌わせる。
 途中で詰まる、声が裏返る、きちんと行動を取らない等の点が見受けられる場合にはやり直しを徹底させる。


○3日目○

・トイレットトレーニング1
 2日目までは来客用のトイレを使わせるが、この日からトイレットトレーニングを行う。
 すなわち、女生徒用の羞恥トイレで全てを晒しながら排泄させる訓練である。
 なお、午前中に行うため、この日の朝は沙穂の個室のトイレに使用禁止の張り紙を出し、寮内のトイレも不自然に見えない程度に沙穂には使用不可としておく。

 トイレの現物を見せる前に、構造と排泄時の注意点をよく説明しておく。
 沙穂が理解したと判断できた時点で、男子生徒と共にトイレまで連れて行き、排泄を実行させる。
 通常女子生徒が校舎内で排泄する際、それを周囲に知らせて回るということはしないのだが、沙穂は転入生でトイレをうまく使えない可能性があるため、大きな声で宣言し指導者を集める必要がある。
 はっきりと大きな声を出すまで宣言方法を練習させ、前向き・後ろ向きトイレのしゃがみ方もみっちり指導する。


・模擬授業
 聖女学園では、女子生徒は授業中に起立して発言中、男子生徒に何をされても抵抗してはいけない。
 これは口で説明して「はい、わかりました」というわけにはいかないので実地訓練が必要となる。
 実際の授業では女子生徒はバイブつきの椅子を使わなくてはならないが、
 この段階では沙穂はまだ処女であるため、男子生徒と同じく通常の学生用の椅子を使わせる。

 模擬授業の教材は特に指定しないので、現場監督および男子生徒に一任する。
 ここで沙穂に行ういたずらについても男子生徒に一任するが、できれば通常よく行われるものが望ましい。
 発表中の前後スカートめくり、クリつつき、前後の男子が協力しての強制性器開帳がオーソドックスであろう。

 通常授業中に女子生徒が羞恥と屈辱に耐え切れず抵抗してしまった場合は放課後に罰が与えられるが、転入生には悪いことをしたらその場で指導というのが効果的であるため、沙穂が不適切な行為をした場合はその場で罰して構わない。
 罰の内容は現場監督と男子生徒の判断に委ねる。
 当然ながら、罰を与えなくてはならないような行為を沙穂がしないことが最善である。


○4日目○

・着替えと移動
 学園特製の体操着とブルマを渡し、それぞれ異なる2着の効能を説明する。
 その後着替えを行うが、どちらの体操着を着るかは男子生徒の多数決に任せる。
 当然のことながら、教室内で男子生徒に取り囲まれた状態で着替えをさせる。

 体操着に着替えた後、全員体育館に移動する。
 この日は基本的に終日体育館での研修となる。


・身体測定と写真撮影
 身長、体重、胸囲、その他身体の各部位のサイズを測る。
 体操着が邪魔になるような部位の測定時は、随時シャツをめくる、ブルマを脱ぐ等させる。
 また、このときに生徒手帳に載せる写真を撮る。
 全裸起立、顔アップ、胸アップ、性器アップ等。


・昼食は特別に体育館に運ばれるので、この日はエプロンの着用は免除する。


・柔軟体操
 ここ数日間の運動不足を解消するため、紺色の体操着を身につけた状態で柔軟体操を行う。
 主に股関節を柔らかくすることが目的であるので、スリットから性器とアナルがきちんと確認できるまで大きく足を開くよう指導する。
 開脚前屈、開脚ブリッジは必ず組み入れるよう留意のこと。


・トイレットトレーニング2
 3日目に通常の排泄時に関する指導を行うが、ここではイレギュラーな排泄に伴う羞恥に対する訓練を行う。
 イレギュラーな排泄とはすなわち「我慢しきれずにお漏らし」がメインとなってくるが、これは通常の排泄と比較してかなりの羞恥と屈辱感を伴うため、日常生活が始まる前に指導しておく必要がある。
 
 この日の昼食に、遅効性の利尿剤と浣腸剤を少量投入し、食後2時間後くらいから細切れに排泄欲求を感じさせる。
 おしっこ・うんちともに1度で終わってしまっては訓練にならないため、尿意・便意に耐え切れずお漏らしをしても1度の排泄では少量しか出せないよう薬を調整する。
 なお、沙穂には薬のことは伝えずあくまでも沙穂の尿道及び肛門がゆるいということにし、漏らす度に沙穂が泣き出すまで嘲笑を浴びせることが望ましい。
 このカリキュラムにより少しでも男性の前での放尿・脱糞に慣れるよう、心を鬼にして辱めるよう留意のこと。
 また、トイレを使えない状況でのお漏らしによる汚辱感を味あわせることで、女子生徒用トイレの積極的な使用に繋げる目的もある。

 ※沙穂にはトイレットトレーニングと伝えず、表面上は当たり障りのない球技やマット運動等をさせること。


○5日目○

・懇親会
 前日までのカリキュラムで当学園の基礎的なことはほぼ教育し終え、最終日は懇親会にあてる。

午前:
 この研修で学んだこと、恥ずかしかったこと、辛かったこと等を発表させる。
 形式は現場に任せるが、質疑応答や男子生徒からの指導を絡めながらの進行となるので、沙穂を男子生徒が取り囲むような席次が望ましい。

昼食:
 通常通り、裸エプロンで配膳させる。
 無論一人では限界があるため男子生徒が随時手助けすること。

午後:
 この5日間世話になった男子生徒への感謝を込めて、見世物として芸を行わせる。
 芸の内容については男子生徒に一任するが、羞恥心・屈辱感を煽るものが望ましい。
 また、沙穂の身体を傷つけず男子生徒の精液を出さないという条件で、お触りもOKとする。


○6、7日目○

・入学日の関係で土日をはさんで翌月曜に初登校となる。
 5日間のハードな研修により多少裸への抵抗感が薄れているかもしれないが、土日の間は私服で過ごすことになるので月曜には改めて羞恥心を感じることになるだろう。

 この研修は「羞恥心をなくす」ことではなく「羞恥心に耐える」ことを目的としているため、恥ずかしさ自体を感じなくなってしまっては意味がない。
 消えたくなるような羞恥に身を焦がしながら、男子生徒には一切逆らわない少女を作り出すことが第一である。
 前代未聞のカリキュラムであるが、聖女学園にとって理想的な少女を育てることができるよう全員で努力すること。

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 ここまで書いて、ホワイトボードに板書していた教師はペンを置いた。
 既にホワイトボード2台にぎっしりと予定が書かれている。
 教師陣の知恵を振り絞って作り出したこれ以上ないほどの羞恥訓練に、皆が満足そうな笑みをたたえていた。
 既に日は落ちて、月が空高く上っている。

 数日後にここを訪れる少女はどれだけの涙を流し、男達の前で辱められることになるのだろうか……。



文章:深弥さん



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