《まずは佐東くんの意見通り、陰核を剥き出しの状態にします。
十五夜さん、前に出て、あなたのご希望通り、明日野さんの陰核の包皮を剥いてあげてください》
「はい」
再び、私の喉から勝手に返事がもれ、体がひとりでに立ちあがって一花ちゃんのもとへと歩いて行きます。
行く手には、怯える一花ちゃんの姿。
私があんなことを言ったばかりに……いえ、私が言わなければ、代わりに提案者の佐東くんがこの役目を負わされただけでしょう。
なら同じ女子である私がしてあげた方が、一花ちゃんの心的負担も軽いに違いありません。
……と、私は必死で自分に言い聞かせました。
そう思い込まないと、罪悪感で胸が潰れてしまいそうです。
教壇に辿り着くと、私はしゃがみ込みました。
もちろんそれは、ルールに強制されての行動です――が、身体になんらかの負荷がかかるわけでもなく、ただ自然と、意思に反した動きを取るだけのこの状況。
ふと気を抜けば、まるで自分が望んで行動しているかのような、危険な錯覚に陥ります。
いえ――さっき私の言わされた感想が、それでも間違いなく私の本心であるように。
この行動も、本当は私が、心の奥で望んでいることなのかもしれません。
ふと視線を感じて見上げると、一花ちゃんが不安そうなまなざしで私を見下ろしていました。
彼女の不安を和らげようと、私は笑いかけます。
「大丈夫だよ、痛くしないから。……ごめんね、私が変なこと言ったせいで」
「ううん、十五夜さんは悪くないよ……」
ふるふると首を振る一花ちゃんの仕草に、胸が詰まります。
私は、一花ちゃんのスカートに下から手を入れて、彼女の下着を膝上あたりまでずり下ろしました。
そしてそのまま、手探りで……性器へと指を伸ばします。
「ひんっ!」
私の指先があそこに触れた瞬間、一花ちゃんは小さく悲鳴をあげました。
彼女のそこは熱く湿っていて、とても柔らかく、ほんの少し指が動くだけで愛液がぽたぽたとこぼれます。
やがて、私の指はすぐに、彼女の一番の急所を探り当てました。
「ゃぅぅ…ん……」
包皮の上から陰核に指をあてると、一花ちゃんが押し殺した声を漏らします。
指の下で、びくんびくん、と陰核が脈打つのがわかりました。
これほどまでに感じやすい彼女が、果たして剥き出しにされた陰核の快感に耐えられるだろうかと心配になりますが、しかし、そんな私の胸中などお構いなしに、私の指はじりじりと力を増し、包皮を上に押しあげていきます。
「ふぅっ……う……」
一花ちゃんが苦しげな吐息をついて、身をよじりました。
やがて、ぬるっとした手ごたえと共に全ての包皮を剥き終わると、
《すぐに包皮が戻らないようにしてあげてくださいね。
途中で戻ったら、また最初からやり直してもらいますので》
声の指示に操られて、私の指が急に動きを変えます。
人差し指の先端が、一花ちゃんの、顔を出したばかりの敏感な突起を、下から上へ無造作についっと擦りあげました。
「にゃあああぅっ!!」
「あっ……ご、ごめんなさい! 大丈夫!?」
いきなりの強烈な刺激に、一花ちゃんが悲鳴をあげます。
かくんっと腰が折れ、一花ちゃんは思わず、スカートの上から両手で急所を押えました。
「――あっ、あ……!」
しかし、今度は両手で押さえつけたことがさらなる刺激となって彼女を襲い、一花ちゃんはその姿勢のまましばし放心状態におちいりました。
かくかく、と膝が小さく震えています
「…ぁ………〜〜〜っ、…ふぁ、う………」
「い、一花ちゃん……」
《軽く達してしまったようですね。
まあ、これで陰核が勃起して、包皮がずり落ちにくくなったでしょう。
では、オナニーを始めてください》
冷酷な声の命令に、私は愕然としました。
こんな状態の彼女にもう一度自慰行為をしろというのでしょうか。
しかし、声を聞いた一花ちゃんはふらふらとした足取りで、教室の真ん中、雫さんの机へと歩き出しました。
止めよう、せめて一花ちゃんが落ち着くまで時間を遅らせよう――と思った瞬間、私の体は金縛りにあったように、一切の動きを取れなくなってしまいます。
おぼつかない足取りで、一花ちゃんは雫さんの机にたどりつきました。
雫さんやクラスの皆が見ている前で、一花ちゃんは机に両手を付き、股間を角にあてがい、自慰を始めます。
「んんぅ……うう、うぁっ、……あっ、んっく、……っ」
ついさっき、見たばかりの光景。しかし先程と異なるのは、今の一花ちゃんの意思は現在のままだということ。
彼女は今、自分のしていることの意味も、それを大勢のクラスメイトに見られていることもはっきりと認識しながら、それでも動きを止めることができないのです。
「うっ、あ、うぁあっ……これ、あっ、だめっ……えぅ、刺激、つよ、すぎ…ぁうっ!」
一花ちゃんは、あっという間に追い詰められていきました。
やはり陰核が剥き出しの状態では刺激が強いのか――そう考えたところで、私は自分の犯したとんでもない失敗に気が付きます。
(しまった……下着を……)
一花ちゃんの下着を、私はずり下したままで元に戻すのを忘れていたのです。
あの状態では、履いていないのと変わりありません。
今の彼女は剥き出した陰核に加えて、さらにもう一段階、いつもよりダイレクトな刺激を感じていることになります。
戻してあげようにも、自慰が始まった今となってはそれも『発表』を妨げることになるのか、やはり体が動きません。
しかし考えようによっては、感じやすくなった分早く絶頂を迎えられるのだから、時間は短く済むかもしれない――そんな私の言い訳じみた考えを見透かすように、教室に声が響きます。
《ああ、もうすぐ昼休みが終わりますね。
キリがいいから、残りの昼休みいっぱいをオナニーの時間としましょう》
「えっ……ええっ!? そ、んな…ひゃふ! そんな、の、ひどい……くうっ!」
昼休みの終了までは、まだ二十分近くあります。
その間ずっとオナニーをし続けたら、一体何回イクことになるのか……私がそう思った次の瞬間、
「ひっ……い、ぁぁあああ〜〜〜っ!! っっぁはっ!! はっ、はあっ、はっ、はっ……!」
最初のときよりもずっと激しく、一花ちゃんが達しました。
これで2回目……いえ、すでに3回目の絶頂です。
びくびくと全身を痙攣させながら、それでも一花ちゃんの腰の動きは止まりません。
声が《昼休みの終わりまで》と定めた以上、彼女が自分の意思でオナニーを止めることはできないのです。
ぐちゅ、ぐちゅ、という卑猥な水音が、離れたところにいる私にまで聞こえてきました。
「くぅぅんあ……ぜ、ぜった…ひあっ!
絶対、むりで、す………おねが…ひんっ!!
おねがい、許して、ゆるしてくださいっ……」
《まあまあ、遠慮なさらず。
さて、では、柊さん?》
一花ちゃんの必死の懇願をあっさりと切り捨てて、声が雫さんに呼びかけます。
「……はい」
いつの間にか席を立っていた雫さんが、一花ちゃんの後ろにいました。
《それでは、思う存分、一花ちゃんをいじめてあげてください》
「……はい……」
火照った顔で、雫さんがうなずきます。
「ひっ、んんっ……し、雫ちゃん……あぅ、ふぅっ……」
「……一花ちゃん」
雫さんは、腰を振り続ける一花ちゃんを、後ろからぎゅっと抱きしめました。
「んうっ……ああぁあっ」
ただ抱きしめられただけでも感じてしまうのか、一花ちゃんが切なげに泣き声を上げます。
「……一花ちゃん、体熱い……」
「あぅう……だってぇ……っ、さっきから、ふぁ、休ませて、もらえな――ひゃあうっ!?」
いきなり耳たぶを口に含まれ、一花ちゃんの言葉が止まります。
「……ここ、かんひる?(感じる?)」
耳たぶをくわえたままで、雫さんが一花ちゃんに聞きました。
「やぁ、だめ、ちから、ぬけちゃ、うっ……そこっ、だめぇっ……!」
「……きもひいいんあね(きもちいいんだね)」
一花ちゃんの途切れ途切れの言葉を聞いて、雫さんは嬉しそうに笑うと、舌を伸ばして耳全体をゆっくりと舐め回します。
「やぁあ……ひぅ、ひぃん……っくぁ、ああう!!」
四度目の絶頂。跳ねる小柄な体を押さえつけるように、雫さんは腕に力を込め、一花ちゃんの痙攣を全身で味わいます。
やがて雫さんは耳から口を放すと、一花ちゃんの耳元でささやきました。
「……今、お耳でイッたでしょ?」
「……ふぅ、……ふぅ、……ん、っふ……」
一花ちゃんには、答える余裕もありません。ただ荒い息をつくだけです。
「……感じやすいんだね、いっちゃんは」
「……っ!」
からかうような雫さんの呼びかけに、一花ちゃんは真っ赤になってぷるぷると首を振ります。
「……何が違うの? ……おっぱいだって、こんなに――」
一花ちゃんの小ぶりな胸の、服の上からでもわかるほどぷっくりと膨らんでいる先端を、
「やっ、そこ……くあああああっ!?」
雫さんの細い指が、左右同時につまみあげました。
「――こんなに、いやらしく尖らせてる、くせに……」
「んあああ!! ひぃっく、っああ! はあ、あ、あっああっ!!」
そのまま、先端に向けてしごくように指をしゅっ、しゅっと動かすと、その動きに合わせて一花ちゃんの口からは悲鳴が漏れ、指の一往復ごとに身体が大きく痙攣します。
「……ほら、一回しごくだけで、イッちゃうんだから。……やらしいなあ」
楽しそうにつぶやいて、雫さんはさらに何回も一花ちゃんの乳首をしごきます。
その度に一花ちゃんは涙とよだれをこぼしながら悲鳴をあげて、それでもなお腰を擦りつけつづけました。
乳首責めは数分ほど続いたでしょうか。
終わったころには、一花ちゃんは机に突っ伏してしまい、息も絶え絶えになっていました。
そんな状態でも腰の動きは続いていますが、流石にだいぶ鈍くなっています。
かくん、かくんと途切れ途切れに腰を振っている一花ちゃんを、雫さんは後ろからかかえて抱き起こしました。
一花ちゃんの上半身を自分の体にもたれかけさせ、負担を少なくしてあげているようです。
真っ赤な顔でぼんやりとしている一花ちゃんに、雫さんがささやくような声で問いかけました。
「………する時、私を使ってたんだ?」
「っ、……う、ん……ごめんね…ごめんね、しぃちゃん……ごめんなさ……」
「……あやまらなくていいよ、怒ってないから。
……どんな風に、私のこと思い浮かべてたの?」
「……修学旅行の、とき……ふぁ、……お風呂で見た、しぃちゃんの裸、思い出してたの……んんっ…………あそこの毛が、ちょっとだけ生えてて、すごくエッチだった……あと、…ぁ……私が、家庭科で……っ、指を…ケガしたとき、舐めてくれた、こと、とか……ひぅ…思い出し、て……」
一花ちゃんの告白を聞きながら、雫さんは、右手を一花ちゃんの太ももに這わせました。
太ももの内側で細い指がうごめくと、再び一花ちゃんの口から荒い吐息がこぼれ始めます。
「ふぅう、うう〜……っ、んう……!」
「……そんなに前から、私のこと、使ってたのね……月に、何回くらい?
……10回? 30回?
……ひょっとして、60回や70回?」
「そ、それはぁ…………ぅう、………はぅ……そんなの、言えな…きゃあん!」
太ももを優しく撫でていた雫さんの右手が、一花ちゃんの柔らかそうな肌を、きゅっとつねりました。
唐突な痛みに、一花ちゃんは悲鳴をあげて悶えます。
「やっ、ああっ……!」
「……答えて」
一転、きびしい口調で命じる雫さん。
声は冷静ですが、その顔は明らかに興奮し上気しています。
「あっ、あう……に、20回、くらいです……」
痛みと快感に声を震わせながら、一花ちゃんは答えました。
「……その度に、私のことを?」
「…ぅん……」
「……うれしい……」
一花ちゃんの耳元で、熱っぽくつぶやきながら、雫さんは右手を動かし始めます。
愛液でぬるぬるになった一花ちゃんの内ももを、上に向かってなぞりあげるように――
「んあ、ああ、ああっ、あっあっあっ……!」
太ももをぬるぬると這い上がる指先の感触に、一花ちゃんの悲鳴がひときわ高くなっていきます。
あともう少しで性器に触れる、そんな距離まで指先は近づき――
「――あ、う……!?
ひゃ、いや、やぁんっ……!」
「……どうしたの? いっちゃん。
変な声出して」
――ぎりぎりのところで回れ右して、今度は下り始めました。
「んんっ……ふぁ……うくぅ……」
指先は再び上がったり、
「ぃあ、んっあっ! っん! く、ぁぁ……」
ぎりぎりのところでまた下ったりを繰り返し、
「くふぅぅぅっ……! ぁ、やあ、もうやめて……ちゃ、ちゃんと、ちゃんと触ってぇっ……!」
耐え切れなくなった一花ちゃんが雫さんに懇願したところで、ぴたりと動きを止めました。
「……やめてほしいの? ……それとも、触ってほしいの?」
「う、う……ふゃぁぁん……」
一花ちゃんは雫さんの問いに答えず、ただ喘ぎ声を漏らします。濡れそぼった一花ちゃんの性器と、机の角がスカート越しに擦れ合うくちゅ、くちゅ、という音だけが、静まり返った教室に響きました。
「……ちゃんと言ってくれないと、いじわるしちゃうよ?」
静かな、けれど明らかに喜びをたたえた声で、雫さんはつぶやきます。
彼女はそれまで一花ちゃんの腰に巻いていた自分の左手を、愛液にまみれた自分の机の角に置きました。
「あっ、だめっ、くひぁぁん!?
ひぁ、手、どけてっ……はあっくぅぅ!!」
彼女の手の甲と一花ちゃんの性器がぶつかって、ぐちゃり、と卑猥に擦れました。
急に変化した刺激に泣き叫ぶような喘ぎ声を上げながら、一花ちゃんは秘部を雫さんの左手に擦りつけています。
「ひゃあう、だめ、とまんないの、やあん、また、イっ……くぅああああんっ!!」
「……すごく、熱いね。それに、びくびくしてる……いやらしい、おま○こ」
一花ちゃんの性器に触れた雫さんに、耳元で感想を囁かれ、一花ちゃんの体がびくんとはねました。
雫さんに抱きしめられたままの一花ちゃんの小さな身体が激しく悶えます。
「ぁぁっ……ふあっ、あっ、ああああぅ!」
「……また、イッちゃったね。でも……この程度のイキ方じゃ、もう物足りないんじゃない………?」
一花ちゃんの愛液でぬるぬるになった雫さんの手がくるりと向きを変え、一花ちゃんの性器を小さな手のひらで包み込みました。
一花ちゃんの秘所を隠すように、スカートの上から当てられた手。
その細く白い指が、何かを探るようにうごめき――
「……いっちゃんが、一番触ってほしいとこ、触ってあげるね」
「ま、まって………待って、しいちゃ――っはああぁうっああっ!!」
教室に、ひときわ甲高い悲鳴が響きます。
雫さんの指が、一花ちゃんの最も敏感な部分をきゅっとつまんだのです。
人差指と中指の付け根ではさみ込んだ一花ちゃんの陰核を、雫さんはなぶるように左右に引っ張りました。
「ひっ、きあっ!!! ひぃんっ!! んあっああっ!」
「……ここをお机に擦りつけてたんだね。
こんなに硬くなって……エッチだなぁ、いっちゃんは」
雫さんのなぶるような言葉に反応する余裕もなく、一花ちゃんは半狂乱になって悶えています。
「いぁぁあん!! はあっ、ああっあっ!!」
追い詰められ、どんどん高くなっていく一花ちゃんの悲鳴。
責めているだけのはずの雫さんも、真っ赤な顔で息を荒くしています。
一花ちゃんが雫さんの机にそうしていたように、自分の秘部を一花ちゃんの腰に擦りつけながら、雫さんは泣き悶える一花ちゃんにつぶやきました――
「……そろそろ、お昼休み、終わりそうだね。だから……」
――マゾヒストならば見ただけで絶頂してしまいそうな、嗜虐心に満ちた笑顔で。
「………終わりの時間までずっと、イキっぱなしにしてあげる」
「――――っひ!? あっ、あぇ、そこ、ちがっ――ひああああっっ!!」
遊ばせていた左手で、雫さんは一花ちゃんの小さなお尻を責め始めたのです。
一花ちゃんの激しい反応から察するに、恐らく雫さんの細い指はすぼまりを抜け、直腸内へと侵入しているのでしょう。
これまで一切触れられず、予想もしていなかったであろう部位への責め。これだけでも、昂り切った今の一花ちゃんには十分な決定打でした。
「あううううううううーーっ!! あお、はううぁああっ!!」
もはや何度目になるかもわからない、絶頂。
一花ちゃんは、掴んだ机がガタガタ揺れるほど体を痙攣させて、顔からは涙とよだれを、体中から甘ったるい匂いのする汗を、そしてあそこからは失禁したかのように大量の愛液をあたりにまき散らしました。
しかしサディズムに目覚めた雫さんは、さらなる責め苦を彼女に与えます。
指にはさんだ一花ちゃんの可愛いク○トリスを、斜め上へ向けてくいっと引っ張ったのです。
「〜〜〜〜〜〜〜〜…………っ!!」
声にならない悲鳴を上げて、びくん! と体をのけぞらせる一花ちゃん。
つま先立ちになり、腰を前に向かって突き出すような淫猥な格好です。
が、雫さんは容赦なく陰核をつまみ上げ、一花ちゃんが絶頂から降りられないよう宙吊りにしています。
「あぇああぁっああぁああっあああああーーっ!!
あひっあゃああっ! あーーーーーっ!!」
身体の最も敏感な部分で全体重を支えさせられて、一花ちゃんはもう声を抑えることができなくなっていました。
性器からは断続的にぶしっ、ぶしっと潮を吹き、口からは嬌声と共に唾液がとめどなく溢れます。
ク○トリス吊りは一分以上続き、その間、一花ちゃんの悲鳴が止むことはありませんでした。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、一花ちゃんはようやく絶頂地獄から解放されました。
焦点の合わないうつろな目で、床にへたりこむ一花ちゃん。
なかば気絶しかけの彼女の体を、後ろから優しく抱きかかえているのは、もちろん雫さんです。
《お疲れさまでした、明日野さん。
柊さんとの共同作業も含めて、大変素晴らしい発表でしたよ。
2人の友情もさらに深まったようですし、次回の発表はぜひ二人一緒にしていただきたいですね》
声が聞こえているのかいないのか、愛おしげに一花ちゃんの頭をなでている雫さん。
彼女の机には、ついさっきまで一花ちゃんがさらしていた痴態の痕跡がありありと残っています。
机の周りには一花ちゃんのありとあらゆる体液がこぼされ、特に彼女が立っていた場所など、小さな水たまりができていました。
もちろん机の上も惨状と呼ぶにふさわしい有様です。
一面が潮と愛液でべとべとのぬるぬる、汚れていない部分を探すのが難しいほどで、食べかけの可愛いお弁当も容赦なく愛液まみれになっています。
こんなことは珍しいことではありません。
毎日、お昼休みになると決まって私たちの誰かが発表者に選ばれ、今日の一花ちゃんのようにさんざん弄ばれるのです。
《柊さん、次回の発表までに、一花ちゃんをたっぷり可愛がってあげてくださいね。
それでは、今日の発表はここまでにします。
では明日野さん、今日は本当にお疲れさまでした。
みなさん、発表者の明日野さんに盛大な拍手を》
教室中から、割れんばかりの拍手が巻き起こりました。
一花ちゃんは雫さんの胸に抱きかかえられ、半分眠ったようなとろんとした表情のまま、消え入るような声でつぶやきます。
「はっぴょうを、おわり……ます。
ありがと…う、ございまし…た……」
途切れ途切れに謝辞を述べて、彼女はそのまま、深い眠りに落ちていきました。
《終わり》
(※お弁当は、雫さんが後でおいしくいただきました。)
文章:愛其等さん