聖女学園の純情少年


 僕の名前は長曽祢 虎徹。
 聖女学園の1年生の男子だ。

 僕がこの学園に入学したのは、それがエリート社会でのステータスになるからと、両親に強制されたからだ。
 確かに入学試験の困難さ(中学入試で『論語』の書き下し文を書けとか、微積分とか出すか? 普通!)と、莫大な学費(普通の公立中学校の果たして何百人分の学費になるのやら?)が必要なことを考えれば、この学園に在籍していたという学歴だけでも学力と家柄を保証されたようなものだ。
 ましてや、この学園で3年間を過ごし、無事に卒業できたならば、それだけで上流社会で幅を利かせる事が出来るらしい。
(学校の中身が中身なだけに一般社会での知名度は低い様だけど)

 だから、実を言うと、この学園が女の子にHなことをする学校だと知ったのは、入学した後のことだった。
 心の準備が出来ていなかったせいなのか、僕ははっきり言ってこの学園が苦手だ。
 どっちを向いても、女の子のおっぱいや……アソコ…とかが見えて、目のやり場に困る。
 前後にスリットの入った制服のスカートの隙間からチラチラと見え隠れする女の子のアソコが見える度に心臓が早鐘のように鳴る。
 そして、教室でも廊下でもひっきりなしに聞こえてくる女の子の喘ぎ声に、僕のおち○ちんはいつも勃起したままだ。春は制服の上着の裾を下げて誤魔化していたけれど、夏服になってからは隠すものが無くなり、僕のズボンの前がおち○ちんで盛り上がっているのが丸見えになってしまう。
 それを女の子達に見られるのは、ひどく気まずい。だって当の女の子達の痴態を見て聞いて、勃起しているのだから。

 気まずいと言えば、寮のお風呂場やトイレもそうだ。
 お風呂場やトイレの壁一面が、女風呂や女子トイレを見通せるようになっているからだ。マジックミラーになっていて女の子達の側から僕らの側は見えないらしいけど、本当は向こうからも見られているんじゃないかって気がして、なんだか落ち着かない。
 そうそう、トイレでは困ることもある。
 女の子がうんちやおしっこをしているところが丸見えだから、当然僕は勃起してしまう。
 そうすると、おしっこをする時に“狙い”が定めづらいのだ。

 トイレと言えば、女子のトイレ使用不可の日に、ちょっと用事でロビーに行った時、ロビーにおかれたトイレで用を足している女の子とばったり会ってしまったことがある。
 そういう場面に出くわす時は、大抵友人などと一緒なのだけど、その時は僕一人だけだった。
 女の子と目が合ってしまい、気まずさのせいか、お互い硬直して一言も声を発する事が出来なかった。
 ジョロジョロという女の子がおしっこをする音ばかりが、妙に辺りに響いていた。
 その音が止んで、ふと我に返った僕は「ごめん」と一言言って、その場から急いで走り去った。

 友達はみんな僕のことを、ウブだと言うけれど、僕からすればみんなは何故あんなにも平然としていられるのだろう? と思う。
 中には僕のことをホモ扱いするクラスメイトもいるけど、僕だって人並みに女の子とか女の子とHなことをすることに興味はあるつもりだ。
 だけど、それって恥ずかしいことだと思う。
 少なくとも、それをおおっぴらにするのは僕は恥ずかしい。
 そりゃ、女の子達の恥ずかしさに比べたら、僕の悩みなんて微々たる物なんだろうけど……。
 学校案内には「男子にとっては天国」の学園なんて書いてあったけど、僕にとっては聖女学園ははたして天国なのか?


文章:恋偲川幹さん


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