6月20日 遠足
 男女対抗リレー勝負に負けた日から、5年1組の女子は、夏休みまでの間、男子たちの言いなりになることを誓わされ、学校では常に下半身裸でいることを義務づけられた。
 そんな恥ずかしい毎日を過ごしている彼女たちだが、その受難は校外行事においても、辱めの手を緩めてもらえない。

 初夏の日差しが降り注ぐ青空のもと、遠足行事として山のふもとまでバスで移動してきた5年生の児童たち。
 ジャージやショートパンツなど、活動的な服装で集まったほかのクラスの女子たちとは異なり、5年1組の女子だけは、全員がヒラヒラと風に舞うミニスカートを身に着けていた。
 美少女ぞろいと言われる5年1組の女子たちのそんな姿に、ほかのクラスの児童たちの視線が注がれるのは、やむを得ないことだった。

 遠足だというのに、今にも中が覗けてしまいそうなほど短いミニスカートで整列している女子たちの中には、かつてパンチラひとつ見せたことがない とも言われ、鉄壁のガードという異名すらささやかれる美少女――加央里の姿もあり、風になびくスカートをはいた彼女は、ひときわ目を引いていた。
 そして、類まれな幸運に恵まれた他のクラスの男子数人が、風に舞う加央里のスカートの裾から覗く、
ごくわずか数ミリの白布の輝きを目にするという至極の幸せを噛みしめていたのである。
 しかし、そんな他のクラスの男子からすれば一生分の幸運を使い果たしたような奇跡のパンチラであるが、5年1組の女子である加央里がこれから味わう羞恥は、こんなパンチラの比ではないということを、クラスメイトも……そして加央里本人も十分に知っているのだった。





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